そして福井県といえば、やっぱり蕎麦とカニ!

 そして、とにかく旨いものにこだわり、守り続けるのが福井県。

 それを象徴するのがお蕎麦。

 山間の土地が多く、かつては冬になれば雪に閉ざされることも多かったという福井。

 農村では、冬ごもりの楽しみとして古くから蕎麦打ちが盛んで、その文化は今も根強く残っています。

「やはり蕎麦は、在来種が旨い!」

 それを実感しているからこそ、福井では大量栽培に適した改良品種ではなく、手間のかかる福井固有の在来種を今も育て続けている農家が多いそう。

 昼どきになれば、行列のできる蕎麦名店も多数存在しています。

 福井市の静かな住宅街にたたずむ「蕎麦 やすたけ」は、蕎麦好きな県民に支持される人気の一軒。

 ひと口に在来種といっても、福井には産地ごとに異なる20種以上もの玄蕎麦が存在するといい、こちらのお店では、そのなかから4~5種を厳選。

 丁寧に石臼で挽き、毎朝打ち立ての十割蕎麦を提供しています。

 ふくよかなコシと繊細な香り、そして洗練された旨みが絶妙で、とろ~りと濃厚な蕎麦湯のおいしさもたまりません。

 そのほか「若狭ふぐ」「越前えび」「ふくいサーモン」など、旨いものが豊富な福井県。

 冬の味覚の王様といえば、なんといっても「越前がに」。

 それを贅沢に堪能するなら、美食自慢の温泉旅館がおすすめです。

 名湯・あわら温泉を代表する老舗旅館「光風湯圃 べにや」は、明治17年の創業以来、多くの皇族方をもてなし、石原裕次郎氏ら著名人にも愛された名門。

 このたび全室に源泉かけ流しの半露天風呂を備えたラグジュアリーな旅館として生まれかわり、“現代の数寄屋” をコンセプトにした客室などが評判となっています。

 そして、11月6日からは、いよいよ越前がにが解禁!

 1人1匹を味わえるプランも用意し、これぞ贅沢の頂点……。

 福井が誇る冬の醍醐味を、お部屋でくつろぎながら味わえば、これ以上の至福はありません。

蕎麦 やすたけ [福井市]

所在地 福井市文京7-9-35
電話番号 0776-26-7281
営業時間 11:00~15:00(L.O.)、17:00~21:00(L.O.)
定休日 水曜(祝日は営業)、火曜夜(祝前日は営業)
アクセス 福井駅から車で約15分
http://soba-yasutake.com/

光風湯圃 べにや [あわら市]

所在地 福井県あわら市温泉4-510
電話番号 0776-77-2333
客室数 17
宿泊料金 1名44,000円~、蟹懐石プラン63,000円~/ともに1室2名利用、夕・朝食付き
アクセス 福井駅から車で約40分、えち鉄 あわら湯のまち駅から徒歩約5分、JR芦原温泉駅から車で約10分
https://awara.co.jp/

2021.10.15(金)
写真=平松唯加子、上田順子
取材・文=矢野詔次郎