③ドミコ、待望の2年8カ月ぶりのフルアルバム!
沼。というには生易しすぎるかもしれません。
というのも、沼はゆっくりジワジワ沈んでいき気づいたら喉元、という感じですが、このDOMICO(ドミコ)のサウンドはそんな悠長なことを許してくれません。中毒性抜群のサウンドは、こっちがハマるというよりはもっと狂暴。頭から丸のみされる、敢えて言うならば“蛇”です。
そんな最高にロックなドミコの2年8か月ぶりのフルアルバム『血を嫌い肉を好む』が10月13日(水)に発売されます。
遅ればせながら紹介すると、ドミコは2011年結成、 さかしたひかる(Vo/Gt)と長谷川啓太(Dr,Cho)の2人からなるツーピースバンドです。かくいう僕も、初めて聴いて一発でそのサウンドの虜になってしまいました。まだ聴いたことがない、という人でサイケなサウンドやロックなサウンドを求めている人には是非とも聴いてほしいバンドです。
その代わり、一度聴いたらもうおしまい。一飲みされることを覚悟してください。10月13日、ガラガラヘビならぬドミコがやって来る!
『血を嫌い肉を好む』
ドミコ/domico
10月13日(水)発売
【初回生産限定盤】デジパック仕様
AL+Blu-ray/PDCN-1929 5,478円
※UNIVERSAL MUSIC STORE限定販売
【通常盤】
AL/PRON-1038 3,080円
④『水中の哲学者たち』
永井玲衣。彼女は1991年、東京都生まれ。哲学研究と並行して、学校・企業・寺社・美術館・自治体などで哲学対話を幅広く行っている。哲学エッセイの連載なども手がける(本の著者プロフィールより)。もちろん、この本も哲学のエッセイ本です。
「哲学をすることは、世界をよく見ることだ。くっきりしたり、ぼやけたり、かたちを変えたりして、少しずつ世界と関係を深めていく」とは帯に書かれている文章。本の中では、この言葉の通り、世界をわかったつもりになることに対しての恐れが。世界に対して、他人に対して、自分に対しての謙虚な気持ちが満ち溢れている(ように僕は感じました)。
きっと社会生活、もっと言えば資本主義生活の都合上、本来分かれているもの以上に私たちは境界線を引いているんだと思います。東京と埼玉の間に線なんか実際は引かれていないように。自分が“自分”だと思っているように。環世界じゃないけど、それぞれの人の世界の見え方は本来は違っていて、それだと不便だから沢山の規格が私たちに投入されている。
この本は、本来の自分の見える世界を確認するとっておきの本であり、本の中で著者が行っている哲学対話というのはまさにそういう作業なんじゃないかと思います。読みながら自分と、そして世界と対話することで、世界との有機的な関係がトクトクと脈打ち始める。慌ただしい今の世の中だからこそ、沢山の人に読んで欲しい一冊です。
『水中の哲学者たち』
永井玲衣 著
晶文社 1,760円
⑤秋といえば、焼き芋
秋といえば(本当は冬かも)、焼き芋です。
子どものころはそんなに好きじゃなかったのですが、昨年、銀座つぼやきいもさんの焼き芋をたまたま食べることがあり、驚きました。こんなにねっとりしてるものだったっけ? 甘みも強烈、凄い蜜。今焼き芋ってこんなことになってんの?
そして焼き芋といえば、こんなお洒落なつぼやきいもじゃなくて、石焼き芋。東北の出稼ぎ者がリアカーを引いて販売しているイメージが強いです。これは僕の愛読書『美味しんぼ』の影響が強いかもしれません。訛りを気にしてひと言も喋らないアルバイトが登場する回があるのですが(毎度どうやって採用までこぎつけたのか聞きたくなるのは野暮ってもんですよね)、その彼が訛りを活かして名石焼き芋屋さんになるという回です。しみじみ今『美味しんぼ』があったら雁屋哲さんはコロナ禍をどう描いたんだろうと気になります。
それは置いておいて。今ではさつまいもも多様化していて、ほくほく、ねっとり、しっとり、と食感もさまざま。現在栽培されているものだけでも50品種ほどあるそうです。これから寒くなっていく中、いろんな焼き芋を堪能してみるのも良いかもです。
銀座つぼやきいも
所在地 東京都中央区銀座7丁目6-4 ヒューリック銀座7丁目ビル 1階
https://www.imo-tsubo.com/
Column
週末何しよう? 過ごし方5選
興味あることは沢山あるけど、「To Do List」じゃ重すぎる、スローなウィークエンドにしてほしい。そんなあなたのために、ゆるーい週末の過ごし方ガイドをCREA編集部が5つピックアップしてみました。
もちろん、今週末は部屋でゆっくり寝て過ごしちゃう、なんてのもOK。だって、週末はまた来週もやってくるんだから。
2021.10.07(木)
文=CREA編集部