
星野リゾートが展開する都市観光ホテルブランド「OMO」には、その街にしかない魅力を深堀りする仕掛けがいっぱい。
第2回前編では2021年4月、京都駅の南側にオープンした「OMO3京都東寺」の楽しみ方をご紹介しました。
後編では、古くから町衆の文化が栄えてきた京都の繁華街にある「OMO5京都三条」とグルメスポットをご案内します。
京都の経済発展の礎を築いた高瀬川をOMOレンジャーがご案内

「OMO5京都三条」が位置する三条エリアは、京都市のなかでもとりわけ、町衆(裕福な商工業者~の文化が栄えてきた繁華街です。
ご近所アクティビティ「京町らんまん川さんぽ」では、その街なかを流れる高瀬川に注目。案内してくれたのは、ホテル周辺の街を知り尽くした、OMOレンジャーの八十田香枝さんです。
「京都といえば鴨川が有名ですが、それとほぼ平行して流れる高瀬川は、江戸時代の初期、京都の中心部と伏見間の水運のために開かれた、約10.5キロの運河です。川沿いを歩くと、京都の街の成り立ちや、時の流れをたどることができますよ」(八十田さん)


高瀬川は、豪商の角倉了以(すみのくらりょうい)とその子素庵(そあん)が、今のお金でおよそ150億円もの私財を投じて開いた運河。最盛期は200艘近い舟が往来していたとか。
上り舟では主に米や酒、醤油、塩、油などの食品が運ばれ、下り船には、たんす、長持、鉄鋼製品などが運ばれました。
「船入には問屋が多数置かれ、材木町、石屋町、米屋町、塩屋町、船頭町など、扱う商品や職種を反映した町名からも、当時を偲ぶことができます」(八十田さん)

2021.07.05(月)
文=伊藤由起
撮影=鈴木七絵