2. 為替手数料を確認する

 外貨預金をする際には手数料に注意をしましょう。為替手数料は円を外国通貨に交換する際や外国通貨を円に交換する際にかかります。金融機関や交換する通貨によって手数料は変わりますが、メガバンクで米ドル預金をする場合、1米ドルあたり片道1円程度の手数料がかかることが一般的です。

 たとえば、1米ドル100円のときに100万円を米ドルに替えると、受け取る外貨は100万円÷(100円/米ドル+1円/米ドル)=9900.99米ドルになります。再びこの外貨をそのまま円に戻す(為替レートは同じとします)と9900.99米ドル×(100円/米ドル-1円/米ドル)=980198円になります。つまり2万円近く手数料として取られるということです。

 メガバンクで外貨預金をする際、インターネットで取引をすると1米ドルあたり片道25銭など手数料が割安になったりします。また、為替手数料の割引キャンペーンが実施されていることもありますのでチェックするといいかもしれません。

3.為替リスクを考える

 将来の為替の動きは複雑です。「豪ドルは金利が高いのでおトク」と思って外貨預金をしていても、リーマンショックなど急激な円高が進んだときに為替レートで大損をしてしまったという人も多いものです。

『飯田のミクロ』(光文社新書)には為替のメカニズムがわかりやすく解説されているのですが、「現時点で高金利の国の通貨は今高く、将来安くなる(と予測されている)」ということです。つまり、高金利ならばみんながこぞって預金するでしょうから、現時点での高金利の国の通貨の価値は上がらざるを得なくなります。高金利の国の通貨は将来的に為替で損をする可能性が大きくなるのです。

 少し難しいかもしれませんが、高金利の通貨で運用することが必ずしも有利なわけではなく、為替で損をする可能性があると覚えておきましょう。

 外貨預金を始める前には、預ける期間、手数料、為替リスクなどをしっかりと考えましょう。また、外貨預金は預金保護の対象外です。しっかりとリスクを認識し、自己責任で始めることになります。欲を出さずに円預金にしておくというのもよい選択肢だと思います。

花輪陽子 (はなわ ようこ)
ファイナンシャル・プランナー(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)。元外資系の投資銀行に勤務。リーマン・ショックの際に夫婦同時失業を経験しFPに転身。著書に『貯金ゼロ借金200万円! ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)、『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)、『「貧困女子」時代をかしこく生きる6つのレッスン』(角川書店)など。メディアへの出演も多く、現在のレギュラー番組に「ニコニコ生放送」「ニコニコ生活講座」(live.nicovideo.jp/a/nicosei)など。

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『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社) amzn.to/13EooH5
『「貧困女子」時代をかしこく生きる6つのレッスン』(角川書店) amzn.to/WQ57gR
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オフィシャルサイト yokohanawa.com

Column

花輪陽子の「大人のマネー塾」

大人の女性なら知っておきたいマネーの知識を、普通のOLからファイナンシャル・プランナー(FP)になった、花輪さんが教えます!

2013.06.09(日)
text:Yoko Hanawa
photographs:fotolia