カシューナッツやクルミを使ったナッツ菓子も

 吉田さんが創作するオリエンタルなお菓子は期間限定。

 「ジャスミン茶のクレームブリュレ」は、とてもクリーミー。ジャスミン茶が香ります。

 「ピスタチオの餡チョコだんご」は、香港ではポピュラーなお菓子・ココナッツ団子のアレンジ。ミルクチョコレート餡にびっくり。

 「抹茶ティラミスプリンタルト」は、北海道マスカルポーネと宇治抹茶を使った香港式エッグタルト。
 
 創作スイーツは、夏には香港スイーツの定番、マンゴーのタピオカ入りココナッツミルクのデザートスープ「楊枝甘露(ヨンジーガムロ)」や、国産マンゴーを使った「マンゴープリン」、ライチーのムースなどが登場する予定だとか。

 「黒ゴマ × 古代米」や中国紅茶、プーアール茶を使ったモノなど、5種類程あるキューブクッキー「オリエンタル・フレーバー・クッキー」にも注目。なかでも驚くのが青色とピンク色。

 青色は、蝶豆(バタフライピー)というマメ科の青い花を使った「yuzu × 蝶豆」。柚子の酸味で、さわやかな後口です。

 ピンク色は「natsume × 洛神花」。洛神花とは、ハイビスカスティーとして用いられている花・ローゼルのこと。

 洛神花の酸味に紅なつめの甘い香り、ほのかなキンモクセイの香りも楽しめます。どちらも他にないクッキー。

 ほろほろした口溶けも魅力。手土産にすれば、皆、そのおいしさにはまるはず。

 カシューナッツやクルミを使ったナッツ菓子もあります。

 「肴(あて)ナッツ」は、その名のとおり、ビール、ハイボール、焼酎、ワイン、日本酒、紹興酒……と、どれにでも合うピリ辛風味。

 カシューナッツを香ばしく揚げ、よつ葉発酵バターを溶かし絡めて一晩寝かせ、花椒、唐辛子、自家調合の五香粉(八角、シナモン、陳皮などのブレンドスパイス)をまぶしたもの。

 辛すぎず、甘みもあって、しょっぱくて、クセになる味。

 カリカリ食感で香ばしい「くるみ硝子」、程よい甘さの「霜掛けナッツ」は、吉田さんの中国料理の料理人としての技の賜物。毎日、お茶請けとして少しずつ食べたい。

 夏は、ビールにぴったりの「麻辣ピーナッツ」も登場するとか。

 これらのお菓子をひとりで作る店主・吉田昭さんは、1979年、京都府出身。

 京都や滋賀のホテルや街場の中国料理店で修業し、さらに神戸の点心の店で香港人の点心師と共に働きました。

 「元々、ラーメン屋かケーキ屋になりたかったんです」と、これまでなかった中華のデザートの店を2021年1月にオープン。

 「添加物をできるだけ使わず、食材も厳選しておいしいオリエンタルなお菓子を作りたい」と意欲満々。オリジナルの「デザート小籠包」が登場する日もそう遠くありません。

オリエンタルスイーツショップ「雪月菓」

所在地 兵庫県西宮市松原町5-24
電話番号 0798-55-6200
Instagram @setsugekka2020
※商品や営業日や時間の詳細は、Instagramで確認を

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2021.06.13(日)
文・撮影=そおだよおこ