次第に日射しの強さを感じるようになってきた今日この頃。眩しさ&紫外線対策に加え、お洒落も叶うサングラスをもっと気軽に取り入れてみませんか?

 「サングラスを選ぶ以前に、そもそも眼鏡の選び方もわからない!」という人もご安心あれ。今回は眼鏡の基本的な選び方について、アイウェアセレクトショップ「G.B.Gafas SHIBUYA」の漆畑博紀さんに話を伺いました。

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①選びのポイントは、「形」よりも「サイズ」

――眼鏡店へ行くと、たくさんの眼鏡を前に思わず目移りしてしまいます。似合う眼鏡を選ぶためには、まずどんな点に気を付けたら良いでしょうか。

漆畑 似合う眼鏡を選ぶ際に重要なのは、形よりもサイズ感です。基本的に、掛けた際にレンズの中央にそれぞれの黒目がくるものが、ご自身に適したサイズとなります。サイズが合えば、意外とどんな形でもバランスよく掛けられるんですよ。

――そうなんですね。「私の顔型には、この形しか似合わない」という先入観を持っている方も多いですが……。

漆畑 むしろ選ぶ形によって自分の印象を変えられるのが、眼鏡の魅力です。なりたい雰囲気に合わせていろいろな形にトライしてもらえたらと思います。何本も試着していくうちに、自分が眼鏡を掛けている姿に慣れてくるはずです。

 また、サイズ感は掛け心地の面でも重要なポイントとなります。顔幅に対して小さ過ぎるものだときつくて痛みが生じたり、大幅な調整を必要としてしまうので、眼鏡の寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。

②お店へ行くときは、手持ちの眼鏡を忘れずに

漆畑 また、意外と知られていないのですが、ご来店の際には必ず現在お使いの眼鏡をお持ちいただけると助かります。

――それは、どうしてですか。

漆畑 現在使用している眼鏡の度数を確認するためです。たとえば近視の場合、度数が強い方が大きめのフレームを選ぶと、レンズが分厚く仕上がってしまうことがあるんです。あらかじめ度数を把握していたほうが、より適切なフレームをおすすめすることができます。

――その店で購入履歴がなくても、眼鏡を持っていけば度数のデータがわかるんですね。

漆畑 はい。新たに度数を測定する際の目安にもなるので、医療器具としての側面から見ても重要な情報となります。お使いの眼鏡をお持ちいただくことは、より良い眼鏡作りのための第一歩と言えますね。

③眼鏡で“どんな自分になりたいか”を考える

漆畑 サイズや度数との兼ね合いを踏まえたうえで、次に選びの基準となるのは「その眼鏡を掛けることで、自分をどのようなイメージに見せたいか」です。たとえば、眼鏡を表情に馴染ませたいのか、反対に引き立たせたいのかでも、選択肢は変わってきます。

 黒などシックなお洋服を着ることが多い方であれば、眼鏡もダークカラーを選べばまとまりが出ますし、逆に明るい色を選べば、差し色で効果が得られます。どちらを選ぶかは、お好み次第でしょう。

――答えはひとつではないと。

漆畑 そうですね。メインで使う1本であれば、シックなカラーのほうが汎用性が高いですし、眼鏡に少し抵抗があるという方であれば、ラインの細いメタルフレームや、肌に馴染むカラーなどもおすすめです。

――肌馴染みを重視し過ぎると、地味な印象にならないでしょうか。

漆畑 メタルフレームでもフォルムが洗練されたものや、カラーで縁取りされたものなどを選ぶと、のっぺりした印象を回避できます。また、お仕事によってはあまり個性的なデザインのものだと掛けられないという方もいると思うので、接客の際にはどのようなシーンで使用するのかなどを伺いながら提案しています。

――より良い眼鏡選びのためには、お店の方に「なりたいイメージ」を伝えて、共有してもらうことが大切なんですね。

2021.05.14(金)
文=伊藤美玲
写真=平松市聖