コンサートの現場などでは、グループ内で「歌がうまい枠」として人気になっている人が数多くいることはわかるのですが、コンサートに足を運ぶファン以外にはその魅力は思いのほか届きません。
「CDがミリオンを達成した」、「MVのYouTube再生回数がすごい」などの形で楽曲が評価されるときはグループ単位の栄誉となり、個人の“格”には影響しにくいのかもしれません。そしてジャニーズは原則として音楽賞レースに参加しないので、事務所に“わかりやすい誉れ”をもたらすタイミングが少なくなりがちとも言えます。
この「歌と踊りよりも、演技やバラエティでの実力で評価される比率が大きくなってきた風潮」について、とあるジャニーズファン歴25年の女性は「大歓迎です!」と話してくれました。
「たしかに、テレビの歌番組が多くあってジャニーズがレコード大賞を獲っていたような時代なら“歌って踊れる”ことがすべてで、その序列は絶対に変わらなかったんだと思います。今は歌だけでなく演技やトークやそれぞれの道で人気になるルートがあるし、SNSや配信など特技をアピールできる場も増えました。歌や踊り以外の個性を活かす方法ができたのは、すごくいいこと。私の推しは“テレビ班”ではなくて“舞台班”なので、以前のままだったらもっと目立たない存在だったと思います」
歌と踊りより、演技やバラエティ?
歌と踊りよりも、演技やバラエティでの実力で評価が決まりがちなジャニーズにおける“テレビ班”と“舞台班”。今では線引きが曖昧になり死語になりつつある分類ですが、かつては同じジャニーズタレントでも、2つのグループが明確に分かれていた時代がありました。
ものすごく雑な言い方をすると、テレビ班は文字通りテレビに出演する人たちで、メジャー・陽・華やか路線を担い、CDを出し、テレビや映画、雑誌グラビアで活躍するジャニ。舞台に出る際は、原則として主演オンリー。
舞台班は逆に“マイナー・陰・職人路線”を担当し、テレビにはたまにバックダンサーとして出るくらい。CDデビューへの道は険しく、舞台でしか会えないジャニです。舞台でも主演は少なく、テレビ班が主演の舞台にサポート役で出ることが多い人たち。
2021.03.22(月)
文=みきーる