また、「自分目当てのファンをがっちり掴む」だけでなく、「映画で気になった俳優がジャニーズだった」など、自然なランデブーでジャニーズファン以外の相手を魅了することも大切です。そのためには、ライブなどの“アイドルとしての現場”はもちろん、映画やテレビなど“俳優やバラエティでの見せ場”が必要なのです。

 そこで、ファン以外の人たちに「おもしろいヤツ」「いい演技をするヤツ」「筋肉がすごいヤツ」と好感を持たれることがファン層を広げ、巡り巡って従来のファンにも「やっぱりそう思うよね」と魅力を再認識させることにもなるのです。

 それが、演技やバラエティの世界で評価されることが、ジャニーズ内部での価値、言い換えれば“誉れ”を上げることにつながる理由でしょう。

 

大河、映画、司会のヒエラルキー

 そして“誉れ”につながる仕事の中にも、もちろんレベルがあります。

【“誉れ”レベルざっくり目安一覧】

★★★★ 大河主演、紅白司会、24時間テレビメインパーソナリティー、音楽特番司会、ニュースキャスター、年末年始冠特番、日本アカデミー賞受賞、長期座長公演

★★★ 紅白出場、地上波冠番組、バラエティ・情報番組司会、一般映画主演、演技等各賞受賞、各種ランキング1位獲得、ギネス記録保持

★★ ドラマ主演、アイドル系映画主演、一般映画出演、各種資格取得、CM主演、モデル・コスメアンバサダー就任

★ ドラマ出演、バラエティ出演、アイドル系映画出演、CM出演

 重要なのは、その活動が“国民的”かどうか。異性はもちろん同性にも好感を持たれ、世間に一目置かれたか。後輩の憧れや目標となり彼らを導いたか。実績と貢献度、愛され度、誉れ度、品行方正さ。そしていかに事務所に貢献したか。 

木村拓哉 Ⓒ文藝春秋
木村拓哉 Ⓒ文藝春秋

 これらを総合して、ジャニーズ内部での格が決まるのでしょう。

歌のうまさは”格”には影響しないのか

 ここで、「ジャニーズにおいては、実は歌唱力で存在感を示しても“格”にはつながらないのか?」という疑問も考えてみましょう。

2021.03.22(月)
文=みきーる