お椀にかつおぶしと味噌を入れ、熱湯を注ぐだけの即席味噌汁「かちゅー湯」は、沖縄で愛飲されているソウルフード。明日からはコーヒーのかわりに、ゆる養生な一杯を。


朝の“汁活”を続ければ 1日中、元気が持続する

 「かちゅー湯」とは、沖縄の家庭で親しまれてきた即席味噌汁のこと。「かちゅー」とは沖縄の言葉で「かつお」。こちらを朝食の時間帯に飲むことを大いに推奨しているのが、中医薬膳師として活躍する瀬戸佳子さんだ。

 「東洋医学では、各臓器が修復され、活動的になる時間帯が決まっています。朝食を摂る午前7~9時は『胃の時間帯』とされていて、ここで『温かいもの』『発酵食品』を摂ると、消化・吸収の要である胃が元気になります」

 発酵食品の代表選手といえば味噌。胃腸の調子や便通を整えてくれるだけでなく、血液を補う、内臓を元気にする、酒や肉、魚を解毒するなど、薬膳の世界では欠かせない食材で、『養生訓』で養生の大切さを説いた江戸時代の学者・貝原益軒も「一日も無くてはならぬもの」と大絶賛。

 かつおぶしも気血を補い、疲れを取ったり、体力低下を改善する作用があり、これまた薬膳で有益食材として重宝されている。

 「養生で何よりも大切なのは、『継続できること』。カップに入れて注ぐだけのかちゅー湯なら、眠たい朝でも負担なくつくれますし、食欲のない日も飲むことができる。心身がゆらぎがちな春こそ、温かい味噌汁を飲む“汁活”を始めてみてはいかがでしょうか」

2021.03.12(金)
Text=Noriko Tanaka
Photographs=Aya Sunahara、Sodai Yokoyama(人物)
Styling=Makiko Gibson Miura
Hair & Make-Up=Tomoko Okada(TRON)
Model=Mitsuki Shiina
Cooperation=AWABEES、UTUWA

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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