高校時代は、いわゆるリア充ってやつでした
――地元愛が強いという点は、一郎と高良さんの共通する部分だと思います。
すごく似ていると思いますね。まず富山と熊本は飯がうまい、酒もうまい。海があって山もある。そういう意味で、地元を好きな人って多いと思うんです。
熊本は水もおいしいし綺麗な人も多いし、街から車で1時間〜1時間半くらい走らせたら、阿蘇とか天草とか自然が豊かなところがある。温泉も日帰りで行けるし、地元にいた頃から地元の魅力は十分感じていましたね。
僕は一郎と違って東京に出た人間だけど、地元にいる頃から熊本の事は好きでした。
というのも、父が転勤族だったので子供の頃は熊本と福岡の間で転校ばかりしていたんです。どこも楽しかったけど、自分にとって“地元”と言える場所がなかったし、幼馴染もいなかった。
でも中学2年生で熊本に転校してからは、自分の中で「あ、僕の地元はここなんだ」ってふと思えたんです。それはきっと、友達に恵まれたから。高校生活も最高に楽しかったし、いわゆるリア充ってやつだったと思います。がっつり青春を謳歌していました。
そもそも地元から東京に通えないか事務所に相談をしていたくらい、熊本から出たくはなかったです。東京には仕事に行くという意識がすごくありました。でも今はやっぱり、東京も全然好き。人生で一番長く住んでいる場所が東京になりましたしね。
好きになった理由も、やっぱり人との出会い。東京で出会った人たちのことも好きだし、その人たちと遊ぶ東京も好きですから。もし未だに東京が苦手って言ってたらやばいと思います(笑)。そんなに辛かったらとっくに熊本に帰っていると思いますしね。
そういう意味で、東京の良さも知っていて帰る地元もある。僕はラッキーだと思います。
――今も地元の友達と連絡を取っていますか?
マメに連絡を取るし、帰れば必ず会っています。家庭を持っている人のほうがほとんどだし、2人の子供の親だったり、離婚を2回経験していたり、いろいろあるんですよ。刺激だらけ(笑)。みんなサバイブしているなと思います。
東京にいる時も、結局遊ぶのは熊本や福岡のメンバーが多いかも。僕のスタイリングを担当してくれているスタイリストは昔から知っている地元の先輩だし、その弟は高校から知り合いだし、またその弟は「しゃかりき」っていうお笑いコンビなんです。
光っていうんですけど、結構人気なんです。本当に仲間に恵まれているなと思います。
――いずれは地元に戻りたいと思いますか?
というよりも、日本中に何個も家がほしいです。でかくなくてもいいので。まず熊本と福岡には絶対ほしい。あとは長野もいいし、京都もいいし、東北なら仙台もよかったな。四国にも一箇所はほしいです。
転勤族だったから、どこの土地に行ってもなんとなく好きになれるんです。だから自然があって飯がうまい土地なら、だいたい好きになります。
1年の半分東京で仕事をしたら、半分は自然豊かな場所でのんびり過ごす。そんなことができたらいいですね。
2021.02.13(土)
文=松山 梢
撮影=佐藤 亘