女芸人は、サービス精神のようなもの

——今でもそうやってテレビを見ながらネタを探しているんですか?

清水 そうですね。無意識のうちに。「次、こういうやつでオープニングをやろうかな」とか考えてますね。

——清水さんでもまだ新しいネタを探しているというのは、下の世代にとっては励みでもあり、恐怖でもあるかもしれない。

清水 ああ、そうですかね(笑)。だって、女優だって歌手だって、ゴールが見えないのは同じなんですよね。今年『紅白』出ました、じゃあ来年どうする?っていう話ですから。

 
 

——結婚しても子どもがいても芸能人を続けられますし。

清水 そうですね。ママタレっていうジャンルも、今までなかったんだけど、できてますもんね。

——清水さんにはママのイメージがあまりないんですけど、それは自覚的に出さないようにしていたんでしょうか?

清水 そうですね。やっぱり育児って真面目だから、出しても全然面白くないのであんまりしゃべってこなかったですね。単に「こういうふうにすると育児楽しいですよ」とか、そういうアイデアもなかったし。必死だったものでね(笑)。

——真面目で面白くないものは、出さない。

清水 たとえばどこかに旅行をしたとするじゃないですか。で、「すっごいおいしいものを食べて、すごいいい人に出会って」と言うとみんなしらけるんですけど、「最悪の旅行で」って言うと、聞きたくなるんですよね。どんなに悲惨だったかっていうことを。サービス精神みたいなものなんじゃないですかね、女性芸人って。

——本当はそんなことばかりではないけど、悲惨なことをチョイスして、お客様に出す。何となく自己評価が低いというのも、もしかしたら女性芸人の職業病なのかもしれないですね。

清水 そうですね。元々の性格もあるかもしれないけど、それが仕事とピタッと来たんじゃないかな、女性芸人は。

2021.02.01(月)
文=西澤千央
写真=榎本麻美/文藝春秋