神戸・トアウエストの路地奥。2020年11月に、レストランからイタリア菓子店としてリニューアルオープンしたお店「イタリア菓子のススメ」をご紹介しましょう。
営業は、木曜から日曜までの週4日。他にはないイタリア菓子を求めて、隠れ家のようなお店に次々客が訪れます。
お菓子は常時8種類程。
ヴェネツィアの「グバーナ」、シチリアの「カンノーリ・シチリアーニ」、ナポリの「スフォリアテッレ」など、イタリア各地のお菓子がショウケースに並んでいます。
初めて見た「グバーナ」のホールは大きな渦巻き状。冠婚葬祭などで食べられるとか。
中には、バターでソテーした松の実、ローストしてキャラメリゼしたクルミ、アマレットのビスケット、ラム酒漬けしたレーズンが入って、香ばしくリッチな風味。一度で虜になってしまいました。
「カンノーリ・シチリアーニ」は、注文があってから中にリコッタチーズのクリームを詰めてくれます。カカオ、コーヒー、ビネガー、マルサラ酒が入った茶色い生地が特徴。控え目な甘さで、コク深い味わいです。
「スフォリアテッレ」は、ナポリに行ったら必ず食べるべきお菓子だそう。ラードを使って薄く伸ばし、年輪状に巻いた生地と、リコッタチーズにセモリナ粉を入れたクリーム、他にない形がポイント。サクサクの食感が楽しい。
他にも、レモン、オレンジ、バニラの香りでサクッ、モチッの「トルタ・ディ・パラディゾ」、イタリア北部・ドロミテ渓谷の谷の中心・モエナで愛されている、リンゴたっぷりの「ストゥルーデル・デメレ」、栗粉を使い、松の実、クルミ、レーズンがたっぷりの「カスタニャッチョ」など、どのお菓子も食べてみたくなる。
さらに、シロップをしみ込ませた「ババ・アル・ラム」は、ラム酒のアルコール分を飛ばし、甘さも抑えてあるので、お酒が苦手な人にも食べてみてほしい。
面白いのは、台だけがケースに並んでいて、注文したらマスカルポーネチーズのクリームとフルーツをトッッピングしてくれる「トルタ」。季節でフルーツの種類が変わり、フルーツ好きにはたまらない1品です。
クルミの食感が楽しい「トルタ・カプレーゼ」は、チョコレート菓子好きにおすすめしたい。
壁側には、クッキーが並んでいて、1個1枚から買えます。
チョコクリームをサンドした「バチ・ディ・ダーマ」をはじめ、トウモロコシ粉を使った「クルミリ・ピエモンテーゼ」、マカロンの原型といわれるメレンゲのお菓子「ブルッティ・マ・ブォーニ」など、クッキーも焼き菓子も見た目は地味ですが、飽きのこない、深い味わい。
2020.12.13(日)
文・撮影=そおだよおこ