みちょぱ、ゆきぽよ、藤田ニコル――。テレビの中で、ギャル系のタレントたちがにわかに存在感を増している。中でも今年に入ってさらに活躍著しいのが、雑誌モデル出身のみちょぱこと池田美優だ。

 2020年上半期、彼女はテレビ出演本数・女性タレント部門ランキングで5位につけた。2019年の年間ランキングで記録した10位から、さらに順位をあげた格好だ。上位の近藤春菜(ハリセンボン)、新井恵理那、夏目三久、ホラン千秋の4人が、いずれも出演本数を伸ばしやすい帯番組をレギュラーに持つ事実をふまえると、そこに肉薄するみちょぱがいかに幅広い番組に引っ張りだこだったかがうかがえる。

 おそらく、下半期も含めた2020年全体のランキングでも上位に食い込んでいると思われるみちょぱ。彼女の人気の背景には何があるのだろうか。現代の私たちはギャルに何を期待しているのだろうか。

 さて、「現代の私たちはギャルに何を期待しているのだろうか」と言ってはみたものの、いきなり大上段からみちょぱの人気と社会動向とを結びつけるのも乱暴だ。ここはまず、彼女がテレビで何をしているのか改めて確認してみよう。

ギャル界のツッコミマシーン

 まず、みちょぱはツッコミ役を務める。彼女が出ている番組を見ると、出演者のボケや天然発言などを細かく拾ってツッコんでいる姿がとにかく目立つ。

 そんなみちょぱを、アンタッチャブルの山崎弘也は「僕の中ではギャル界のツッコミマシーンだと思ってますから」と評した(『VS嵐』フジテレビ系、2020年6月25日)。現在のテレビで屈指の「ボケマシーン」であるところのザキヤマに、「ツッコミマシーン」と指摘されるみちょぱ。そんな彼女が、バラエティ番組で活躍している芸能人の中で抜きん出たツッコミ役であることは間違いない。

 彼女のツッコミが特に冴え渡るのは、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)や『有吉ぃぃeeeee!』(テレビ東京系)など、男性芸人が集まる番組で“紅一点”的な役回りを務めるときだ。

 たとえば、おぎやはぎの小木博明が、自分たちのようなおじさんは付き合う対象にならないのかという意味で「みちょぱ的には(俺たちは)ないの?」とたずねたときのこと。彼女はこんなツッコミでその場を制した。

2020.12.10(木)
文=飲用 てれび