微妙な関係の人とも繰り広げなくてはいけない「雑談」。苦手に思っている人も多いはず。

 上手に雑談するためのちょっとしたコツを、作家・心理カウンセラーの五百田達成さんの最新著書『超雑談力』からご紹介します。


Q 答えやすい趣味の聞き方は?

「趣味は何ですか?」と尋ねる → ×
「最近ハマってるものありますか?」と尋ねる → ○

 初対面同士の会話の定番に「趣味は何ですか?」というものがあります。

 相手を知るための手がかりになるし、共通の話題が見つかるかもしれない。一見、雑談にもってこいの質問のように思えますが、実は難易度が高い危険なフレーズです。

 趣味の話で盛り上げようという発想自体は間違っていません。

 ところが、わざわざ「趣味は?」と尋ねてしまうと、「この人が言う〝趣味〞は、どのレベルのものを指しているんだろう」「〝趣味〞と胸を張って誇れるほどのものはないな……」など、余計なことを相手に考えさせてしまうのです。

 ですがこれも、質問のしかたを少し変えるだけで、話がぐんと弾みます。

 おすすめなのは「最近ハマっていること(もの)、ありますか?」です。「趣味」と言われると構えてしまうけれど、「ハマっていること」と言われると、好きなことや気になっている分野についてすんなり語れます。

 質問が具体的な上に、「どう思われるか」と他人の評価を気にしなくて済むからです。

 たとえば、年に1回友達に誘われて参加するハイキング。たまに、クラシックレコードを聴くこと。ふらっと雑貨屋をのぞいてみること。日常生活の中の「好きなこと・時間」はすべて、「最近ハマっていること」の答えになり得るのです。

2020.02.18(火)
文=五百田達成