これぞジバンシイ メイク!
ニコラさん渾身の代表作

vol.058_GIVENCHY

20年間ジバンシイの“顔”を
作ってきたニコラさんを直撃

 今回はジバンシイのメイクの世界をブラ魂!

 このブランドの強みは何と言っても「色」にある。鮮やかな発色はもちろん、多彩なピグメントやパールを駆使した質感の美しさ。ほかにはないユニークな製品も多く、メイク好きにはたまらない存在だ。

 そのカラークリエイションを手掛けるのがジバンシイ メイクアップ アンド カラー アーティスティック ディレクターのニコラ・ドゥジェンヌさん。就任20周年を迎えた最高のタイミングで話を聞くことができた。

 「ジバンシイという大きなブランドで、メイクアップを最初からクリエイトする仕事を続けてこられたのはアーティストとしても幸せなこと。マーケティングチームのみんなが私を信頼し、私も彼らを信頼している。やりたいことをやらせてくれるチャンスをもらえたことに感謝ですね」とニコラさん。

 1人のアーティストが20年間もクリエイションを行っていること自体、スゴイことだと思う。

「いろんな想いがありますが、一つ言えるのは、私がジバンシイのメイクアップを作り上げ、ジバンシイが私を作り上げたということです」

 そんなニコラさんに聞きたい、物作りで最も大事にしていることは?

「テクスチャー(質感)以上に重要なものはないと考えています。パッケージを素敵にしても色揃えを増やしてもテクスチャーを間違えたらお客様から違うと思われてしまいますから。アイテムごとに表現法は変わっても、私が感じた最高のテクスチャーを叶えること。テクスチャーは素晴らしいコスメを創り出すためのスターティングポイントでもあるのです」

 マットにルミナスマット、シャイニー、グリッターやマザー・オブ・パールの輝き……さまざまな質感が表現されてきたけれど、ニコラさんのアイディアバンク(彼はブラックボックスと呼んでいる)はまだまだ満タンになっていないらしい。

「毎日の生活の中で常に製品のことを考えています。美術館に行ったときも、何かに触れれば、それが食品だったりしてもインスピレーションになることがある。こうしたアイディアを生かせるのも活気あふれる研究所があるからこそ。私にとっても刺激的な作業です」

日本が大好きで日本人の友人も多く、プライベートでは京都で過ごすことが多いというニコラさん。

「日本で色についてさまざまなことを学びました。そして、日本の女性が感情豊かなことも。来日のたびに発見があります」

2019.10.20(日)
Text=Masami Yoshida
Photo=Kenichi Yoshida

CREA 2019年11月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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