老後資金を貯める手立てを知ろう
時間を味方につけるとより有利に

 単身だとライフイベント支出が少なく、かかるコストも少なくてすみますが、要介護になった場合に施設に入るなどのリスクが高いために予備費を多めに考えた方がよいでしょう。生活費に加えて、予備費として1,000万円程度は考えたいところです。

 1,000万円などと言われると、若年層にとっては途方もない道のりに感じますが、60歳までに30年以上あれば、無理のない積立も可能になります。例えば、年間33万円を貯めていけば30年間で約1,000万円になります。

 日本では高利回りを目指すのは難しいですが、まずは金利を気にせずに強制貯蓄を始めるべきでしょう。少しリスクを取って殖やしていきたい人は「つみたてNISA」を検討するのもよいでしょう。

・高齢になっても働き続ける
・早いうちから収入の約4分の1など一部を貯金する
・リスクを取る資産運用に挑戦して経験を積む

 老後資金を貯める方法として、上の3つの考え方を知っておきましょう。株式や債券などに長期分散投資をすれば期待リターンは預金を上回ります。

 今すぐに資産運用を考え、時間を味方につける工夫をしたいですね。

花輪陽子(はなわようこ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP認定者。1978年三重県生まれ。外資系投資銀行を経てFPとして独立。2015年からシンガポールに移住する。『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)など著書多数。
花輪陽子オフィシャルサイト https://yokohanawa.com/
海外に住んでいる日本人のお金に関する悩みを解消するサイトを運営
https://100mylifeplan.com/

Column

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2019.09.04(水)
文=花輪陽子