vol.35 竹富島(2)

 朝は穢れがない。

 竹富島の朝は、微塵の滞りもなく澄み渡っている。

 早起きして自転車をこぎ、コンドイ浜に向かった。

 誰もいない。

 空と雲と太陽と砂浜と海と風だけが、ある。

 それがどれほど贅沢なことか。

 人間にとって大切なことか。

 僕は、ただただ空と海を眺めながら、ここに連れてきたい、愛する人たちのことを思い浮かべた。

 宿に戻り、朝食をいただく。

 今までなんども宿で朝食をいただいた。

 しかし、「畑人(はるさー)ブレックファスト」と名づけられた「星のや竹富島」の朝食は、ベスト3に入る。

2019.04.29(月)
文・撮影=マッキー牧元