北欧、断捨離、ポートランド。部屋づくりには色々なブームがありましたが、今は人それぞれ。それでも誰もが求めているのが「居心地のよさ」だと思います。
だから、自分の部屋を「週末ずっといたい、一歩も外に出たくない」と思えたら、結構幸せな気がします。新しい年を居心地のいい部屋で迎えませんか?
限られた空間で
いかに豊かに暮らすか
食べることは、生きること。機能的だけれど、人の温度を感じるキッチンを部屋にしてみたら……。ごはんを食べたくなる家って、やっぱり幸せです。
●佐々木倫子さん[建築家]
1R+ロフト/3人暮らし

建築家の佐々木さんが夫と子どもと暮らすのは、築37年の中古マンションだ。元は2LDKだったが、「あまり広いとは言えない空間で最大限豊かに暮らしたい」と、個室のない大きなワンルームへの改造を決めた。

「とはいえ、家の中にも当然パブリックなスペースとプライベートなスペースがあるから、それをどう配置するか考えました」

出した答えは最もプライベートなバスエリアと寝室をフレームで囲うようにデザインすること。壁で閉じないから、リビングと繫がりつつも独立性のあるエリアになった。
逆に思い切ってオープンな空間にしたのがキッチンエリアだ。真っ先に目に飛び込む幅4.5メートルの杉でできたカウンターはキッチンであり、ダイニングであり、ワークスペースでもある。


2018.12.07(金)
Text=Nobuko Sasaki
Photographs=Tamon Matsuzono
CREA 2019年1月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。