まずは自分の痛みの種類を知ること
ひとりで悩みを抱えないで!
前ページでも少し触れたが、首の神経が障害されて引き起こされる痛みに気づくためには、まず、首や肩周辺の痛み=肩こりだけではない、と理解することが重要だ。
「私のもとに相談にこられる方の中には、最初は単なる肩こりだと思っていたけど、調べてみるといわゆる肩こりでは説明ができないという人もいらっしゃいます。
『神経障害性疼痛』の痛みは広範囲に広がることが特徴の一つで、首の頸椎が変形し神経根と呼ばれる神経の一部がダメージを受けると、その神経に沿って首だけでなく肩や腕、手の指先にも痛みが生じることがあります。
さらに、神経障害性疼痛では、しびれや冷感などで表現される痛みの症状を伴う場合もあります」(鉄永先生)
首や肩の痛みを長引かせないために普段からできる取り組みとは?
「よくいわれることですが、同じ姿勢を長く続けないことです。デスクワークでも30分に1回、伸びをしてみる、立ち上がってみるなど姿勢を変えてあげる心がけが重要です。
いずれにしても、日常生活の中で、『あれ?いつもの痛みと違うな』と感じたときは、一度医師にご相談頂ければと思います。」(鉄永先生)
首から肩・指先にかけてだけでなく、腰から足首に向けて走るジンジンした痛みなども同様に腰の部分で神経が障害されて生じる「神経障害性疼痛」の可能性が。普段の生活に潜む心配な痛みは放置せず、毎日を快適に過ごしたいですね。
神経の痛み解説サイト
ファイザー(株)・エーザイ(株)が提供している「神経の痛み解説サイト」では、神経の痛みに関する基礎知識や、受診時に使える痛み相談シートを紹介している。
2018.08.10(金)
取材・文=今富夕起
撮影=山元茂樹