おもちゃ、節句人形、駄菓子、花火などの専門店や問屋が並ぶ大阪市中央区の松屋町筋。その1本東の通りにある「靖一郎豆乳」は、その名のとおり豆乳屋さん。奥の工場で豆乳を作り、窓口で、できたての豆乳を販売しています。
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右:豆乳を煮る圧力鍋を前に、代表の森本和伸さん。
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「豆腐を作らず、豆乳だけを作っている豆乳専門店は、全国的に珍しいかもしれませんね」と代表の森本和伸さん。そんな豆乳のお店の「おからかりんと」が、今回ご紹介するおやつです。
「おからかりんと」は、極細で、カリコリ軽い歯触り。プレーンの「大豆」の他、「黒ごま」「あおさ」に加え、「<完熟>黒オリーブ」の4種類。ほうじ茶や緑茶だけでなく、コーヒーにも紅茶にも、そして、もちろん豆乳によく合います。
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このかりんとうは、豆乳を作る時にできる「おから」を使っており、食物繊維がたっぷり。豆乳と合わせたら、最強のおやつかもしれません。
豆乳作りに使われるのは、佐賀県産フクユタカ大豆と水だけ。「フクユタカ100%です。色々な大豆で豆乳を作って決めました。この大豆の甘みを味わってほしいから、消泡剤などの添加物は一切使っていません」と森本さん。
第5回ものづくり日本大賞で内閣総理大臣賞を受賞した「エコスター」という無浸漬豆乳プラントに興味を持ち、豆乳作りをスタートしたのは、2014年3月のこと。
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「大豆を水に浸すことなく、スイッチひとつ押せば全自動で約20分で豆乳ができる機械です。短時間でできるので、酸化せず、新鮮。大豆の甘みが際立つ、なめらかで濃厚な豆乳ができます」
でも、機械の扱いに慣れるまで、圧力鍋や配管から吹き出したり、充填した袋が破れたり。「1年は失敗の連続でした。豆乳一筋、まだ3年半です」と苦笑い。
案内してもらった工場はピカピカ。豆乳を作り終わったら、機械を熱湯で2度洗い、作る前にも、また、2度洗っているのだとか。
2017.11.12(日)
文・撮影=そおだよおこ