家事の大半は、朝行い
夜は自分時間をなんとか確保!
平日夜の夫の帰宅はほとんど深夜0時を回ってから。井口さんは夜7時半頃に子どもと帰宅後、夕飯を食べ、お風呂に入って寝かしつけ。怒涛のスケジュールだ。寝かしつけをしてしまったら、その後はもう家事はしないと決めている。
これ以上自分自身の余裕がなくなることは避けたいので、この時間から自分が寝るまでの時間はプライベートタイムとしてしっかり確保。洗濯、部屋の掃除、風呂掃除、洗い物などの家事全般は朝6時半から9時半までに夫とふたりで行う。
この朝時間が、夫婦で家事を協力してこなしつつ、大事なことを話し合う貴重な時間となっている。
「昨日こんなことがあったよ」「今日はこんな予定」。夫としっかりコミュニケーションを取る朝時間のおかげで、家庭の外で子育ての相談を誰かにする必要がほとんどないとのこと。
帰宅の遅い夫を持つ妻は、夫の家事協力を諦めがちだが、「そのときしなくていい家事は、ふたりでできる時間までとっておく」というアイデア。ただしこれには夫の家事能力が高いことが必要だ。
朝保育園に子どもを連れて行くのは夫の仕事。井口さんは会社の帰りにお迎えに行く。
買い物は、土日に集中。ミートソースや鶏そぼろなど子どもの好きそうなおかずの作りおきをして、平日は、野菜のたっぷり入った味噌汁とご飯などを用意して手早く済ませる。
花を飾る心の余裕が出てきた
井口さんの子どもは現在3歳。イヤイヤ期をようやく卒業したところだ。
2歳の頃は、保育園からの帰り道にずっと泣かれて、その訳もわからず「泣きたいのはこっちだよ」と途方にくれたことも一度や二度ではない。しかし、子どもは3歳になり、最近「だいぶ楽になった」と井口さんは実感している。
コミュニケーションができるようになり、お互いの思いが伝わるようになってきたこと。相手の気持ちを考えて「これをやったら相手が悲しい・うれしい・怒る」を少しずつわかってくれるようになったことで、時間的な忙しさは同じでも、心に余裕が生まれてきた。
もともと花が大好きだった井口さんが、産後2年ほどは「花を飾るのも嫌になってしまった」そうだ。「花の面倒まで見きれない」という気分だったというから、余裕のなさ加減も相当だったのだろう。
最近、また花を飾りたいと思うようになってきた。その気持ちの変化が自分でもうれしい。
1カ月に一度、フラワーアレンジメントのクラスに通うようになり、仕事の悩みや家庭での忙しさなどをすべてリセットして花に集中するのが、今はなにより楽しい時間だ。
先生に「春の花は折れやすい。だからやさしい気持ちで触れてくださいね」と言われて、やさしい気持ちで花に接したり、家で花を活けなおし、家の中が華やかになったりするのも楽しい。
今の仕事は撮影現場に入ることも多いので、いつかフラワーアレンジメントが仕事でも活かせるのではないか、大切な人にプレゼントできるのではないか、と思うとそれも楽しみだ。
「ワーママは忙しい」と一括りにしがちだが、記憶が飛ぶほど忙しいときは、そう長く続くわけではない。
また、どんなに忙しくても、家族と心が通じ合ってさえいれば前向きになれる。そして、忙しさを乗り越える力が生まれてくるのかもしれない。
Column
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2017.04.20(木)
文・撮影=HITOMINA