三重・菰野町に誕生した「アクアイグニス」は、100%かけ流しの天然温泉やカリスマたちが監修を手がけた美食などを堪能できる極上の温泉リゾート。この癒しとグルメの楽園にステイした最高の3日間をリポート。今回は初日!
名古屋から1時間ほどの場所にある
「火と水が出会う楽園」へ!
三重県に「アクアイグニス」って素敵な温泉リゾートがあるらしいよ、との情報に飛びついた。ちょうどCREA2月号「楽しいひとり温泉」に触発され、温泉行きたい病になっていたところだったのだ。早速調べてみたところ“癒しと食の総合リゾート”と銘打っているではありませんか。温泉は源泉100%かけ流しで加水、加温、循環一切なしと書いてある。これは温泉マニアでも喜ぶに違いない。
レストランはどうだろう? 最も有名な日本人パティシエではないかと思われる「モンサンクレール」の辻口博啓さん、山形庄内の食文化を世に広めた「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフ、そして予約の取れない「賛否両論」の“マスター”笠原将弘さんと名だたるシェフが監修している。なるほど、食事も期待できそうだ。
部屋は「宿泊棟」と「露天風呂付きオーガニック離れ宿(2名~)」があり、食事によって金額が違う。部屋ごとに雰囲気がまったく異なる「離れ」はどれも泊まってみたいと思わせる。
ここはまさに今の私にぴったりの場所! 思い立ったが吉日、癒されに行くとしようではないか!
「アクアイグニス」に行くにはまず名古屋へ。そこからは名鉄高速バスで「アクアイグニス」で降りるか、近鉄に乗り換えて湯の山温泉駅に行く。今回は高速バスにしてみた。ここでちょっと気をつけて。アクアイグニス行きは午前9時15分の名古屋発が最終便。よって東京発 午前7時10分の新幹線に乗らないといけないのである。眠い目をこすりながら午前10時12分、アクアイグニスに到着。
青空と澄んだ空気、広大な敷地に美術館のような建物が点在する風景に眠さは吹っ飛んだ。エントランスではアーティスト、ミヤケマイさん作のキャラクターたちと共に広報の浦嶌桃子さんが待っていてくれた。
右:大きなベンチに座ってミヤケマイさんのキャラクターを眺める。いまにも動き出しそうで楽しい。
建物に入るとまず目に入るのが美しい曲線を描く大きなベンチ。続いて高い天井、雫のような照明、そしてワクワクするショッピングエリアが見渡せる。和風の温泉でもなく、洋風のリゾートホテルでもない。居心地が良いのにおしゃれ。今までにない空間だ。
訊くと、3人のシェフを含めなんと16人もの才能溢れるクリエーターたちが携わっているそうだ。4つある「離れ」もそれぞれ別のクリエーターがデザインしていて、趣が全く異なる。ロビーのある建物だけでも9人がデザインしている。素晴らしいのがそれぞれの個性が際立っているのに調和がとれていること、そしてどこにいても安らぐことだ。
右:きれいに磨かれた板の廊下は疲れた足に優しい。
受付を済ませ15時のチェックインまで荷物を預かってもらい、「温泉カフェ」でひと休み。温泉で入れた「温泉コーヒー」をいただく。え! コーヒーがまるい! 角がなく、まるで球体のような舌触りなのである。コーヒー豆も温泉に合わせて配合しているそうで、コーヒーの香りと味のする温泉水といえばイメージしてもらえるだろうか。これも45度で湧き上がる源泉のなせる技。すごいぞ、片岡温泉。
ふっと向かいに目をやると広々とした畳の休憩所があり、大小さまざまなクッションが無造作に置かれ、みんな気持ち良さそうに寝っ転がっている。そうか、温泉に入ってここで昼寝できるってわけだ。チェックインまでの時間までゴロゴロしていられるなんて幸せだ。
今回は取材ということで浦嶌さんから3日間のスケジュールを説明してもらう。本日は離れ、翌日は宿泊棟に泊まりそれぞれのお風呂を楽しみ、すべてのレストランで食べ尽くし、日本一の鉄塔がある御在所岳に行き、イチゴ狩りで締めくくる。さらに疲れを癒すリンパマッサージ付きの「超ご満悦! いたれりつくせりコース」である。
これは「アクアイグニス」の素晴らしさを知ってもらう取材用コースなので悪しからず。ですが、通常でも目的別にコースがかなり細かく設定されているので、合ったものがきっと見つかるはず。
それではこれからランチへ行ってきます!
2017.03.24(金)
文=高橋綾子
撮影=榎本麻美