年間5600万人以上が訪れる、国内屈指の人気観光デスティネーション京都。ここ数年、外資系高級ホテルが続々と進出して注目を浴びるなか、個性的な宿からも目が離せません。

 2016年10月にリニューアルオープンした全68室のスモールラグジュアリーホテル「ホテル カンラ 京都」をリポートします。

「ホテル カンラ 京都」で体験!
リラックス&デトックス旅

 独特の文化はもちろん、おいしい料理も魅力的なまち、京都。歴史に触れ豊かな自然の中を歩く京都旅行には、いつだって元気をもらえる気がします。そんな京都に2010年にオープンした「ホテル カンラ 京都」が、2016年10月にリニューアルオープンしてさらに魅力的なホテルになったと聞き、疲れがピークだった私は思いきって羽を伸ばすべく、東京を離れホテルへと出かけました。

職人が手彫りで削る「なぐり加工」が施され、大暖簾が風になびく躍動感あるエントランス。今回のリニューアルで39室を増室し、客室数は全68室に。2つのレストラン、ショップ&カフェも新たに誕生しました。

 私が泊まった客室はキングサイズのベッドと、靴を脱いで上がる畳のリビングスペースがあるダブルルーム(30平米)。平日に仕事をしたあと、そのまま新幹線で行ったのですが、足を伸ばして休める畳の空間があることで、到着した瞬間からリラックス気分満点。まるで旅館のような“和の居心地”を取り入れた、このリビングスペースこそが、ホテル カンラ 京都ならでは。

縦に長く広がる京都の伝統的な住宅形式「町家」の考えを取り入れた既存の客室コンセプト「マチヤスタイル」を継承。180cm幅のキングサイズベッドの寝心地も抜群。

 また、日本人なら一日の終わりはゆっくりお湯に浸かって疲れを癒したいものですよね。それぞれの客室に備えられた檜葉(ヒバ)の浴槽は、お湯を溜めるとバスルーム中に立ち込める香りがとにかくいい匂いで、とぷんと浸かれば日々の疲れから解放されます。

海外からのゲストだけでなく、日本人の私たちでもなかなか入る機会がない檜葉(ヒバ)のお風呂。つかれば虜になること間違いなしです!

 洗い場もあり、浴槽は女性の私なら足を伸ばして座れるくらいゆったりとしたつくり。このお風呂なら一晩で一回と言わず、何回でも入りたいと思ったほどで、この滞在一の充電力と言っても過言ではありません。

日本で古来から親しまれ、貨幣や建築素材などとして使われた銅と杉で作られた洗面台。木や石、鉄、など自然から感じる普遍的な「温かみ」や「風格」などの要素を取り入れることで、いつの時代も変わらない心に響く空間にしたいとの思いが込められています。

 アメニティは京友禅着物の老舗「千總」とのコラボレーションで生まれた、オリジナルのものが用意されていました。京都で460年もの長い間、伝統美と高度な技術を受け継ぐ「千總」のものづくりに触れることができるのも宿泊者の特権です。

京友禅着物の老舗「千總」がプロデュースする基礎化粧品セット「キヌード」が本館の全室に完備。お風呂上がりに、用意されている浴衣に着替えれば、自宅では味わえない非日常感に気分もさらに上がります。

2017.02.17(金)
文・撮影=府川エリコ