市民の胃袋を支える青空市場を散策

街の主要道路を走っている路面電車は、ザグレブに欠かせない市民の足。

 毎年11月の後半にもなると、世界各地でクリスマスのイルミネーションが輝きはじめる。誰もが心浮き立つシーズンだ。そこで、2年連続でヨーロッパのベストクリスマスマーケットに選ばれた、クロアチアの「アドベント・イン・ザグレブ」を、2015年の写真とともにご紹介しよう。

この時期は街路樹も葉を落として冬景色だ。

 「アドベント」は、日本語では「待降節」、または「降臨節」と呼ばれ、イエス・キリストの降誕を待つ期間のこと。

 正式にはクリスマスの4週間前の日曜から24日までだが、「アドベント・イン・ザグレブ」のイベントは2017年1月8日(日)まで開催されているので(日程は毎年変わる)、年末年始に滞在しても楽しむことができる。

 クロアチアは、1991年にユーゴスラビア連邦から独立した、比較的新しい国。地中海東端のアドリア海に面した細長い領土と1000を超える島々、そして内陸に続くブーメラン形の国で、ザグレブはクロアチアの首都だ。市内には路面電車が行き来し、趣のある街並みが美しい。クロアチア最大の街とはいうものの、主要な場所は歩いて廻ることができるくらいこぢんまりとした街でもある。

屋台が並ぶイベント会場近くにはサンタクロースも。一緒に写真を撮るのに無料のサンタもいれば、チップが必要なサンタも。このサンタは後者(笑)。
外は寒いけれどヒーターの下で食事している人々。ホットワインは欠かせない。

 このシーズン、ザグレブは息が白くなるくらい寒くなるが、街はたくさんの人でにぎわう。屋台で買い物をしたり、テントで営業しているオープンエアのカフェでホットワインを飲みながらおしゃべりに興じたり。この季節になると、国内だけでなく、近隣の国々からもアドベントを楽しむ人がやってくるのだという。

色とりどりのフルーツが並ぶ青空市場。

 まずは、人々の暮らしがよく分かる青空市場に行ってみた。収穫したての野菜や果物をメインに、チーズやヨーグルト、ドライフルーツなどの加工品、ハチミツ、ハーブなどが並ぶ。市民の胃袋を支えている市場だ。あれこれ眺めているだけでも充分楽しむことができる。

左:こちらは、ハチミツのお店。蜜ろうごとビンに詰めてあるものも。
右:ハーブのお店。ラベンダーの匂い袋がいい香り!

2016.12.19(月)
文・撮影=たかせ藍沙