目の前でライオン一家が食事する迫力のサファリ!
ブッシュの中を、オープンカーに乗ってゲームドライブ。双眼鏡は不要、至近距離で野生動物を見ることができる。
この旅の大きな目的はワイルドライフ。オープンカーでブッシュの中を移動しながら、知識の豊富なレンジャーとともに野生動物を観察するゲームドライブは、ほかの国ではなかなかできない体験だ。
「ほら、あそこにシマウマがいるよ」。自分だけではなかなか動物に気づきにくいが、すぐにレンジャーが教えてくれる。
ブライデ・リバー・キャニオンから車で1時間ほどのところにあるクルーガー国立公園は、四国を越える面積を誇る、広大な野生動物保護区。
TOTOの往年のヒット曲「アフリカ」が流れてきそうな広大なブッシュ。
ここはかつて、趣味のハンティングや毛皮交易のために動物が乱獲される場所だったという。だが、1898年、トランスヴァール共和国(現在の南アフリカ共和国の北部)の大統領だったポール・クルーガーが、現状を嘆いて一帯を保護区に指定。後にエリアが大幅に拡大され、アフリカ大陸を代表する野生動物保護区となった。
驚かされるのは、私たちが乗るオープンカーが近づいても、動物たちがひるまないこと。人間が危害を加えないことを、彼らも学んでいるのだ。
国立公園内のゲームドライブは舗装された道路以外は通行不可。よりワイルドに楽しむのなら、隣接する私営動物保護区のロッジに泊まり、専用に改造された4WDのオープンカーでのサファリに参加したほうが、野生動物にぐんと近づくことができる。
私営動物保護区は国立公園に比べると訪問者数が少ないため、じっくりと動物と向き合うことができる。
私営動物保護区といっても、国立公園との境界にフェンスはなく、動物たちは双方を自由に往来している。規制が少ない分、私たちもより深くブッシュに入り込むことができる。やってはいけないことといえば、腰を上げて立つこと。座って観賞していれば、オープンカーでもなんの危険もない。
左:窓も天井もないオープンカーだから、動物との距離感も近い。右:イブニングサファリでは、お腹を空かせて涎をタラタラと垂れ流したヒョウが獲物を狙うシーンに出会い、安全と分かっていても思わず鳥肌が。
サファリが行われるのは、動物が活発に動く早朝と夕方の2回。ビッグ5と呼ばれる大型野生動物(ライオン、ゾウ、ヒョウ、サイ、バッファロー)に出会えればラッキーだな、と思っていたら、初日のモーニングサファリが始まって30分後、ライオンの親子の食事シーンにばったり!
左:ライオン一家が食べていたのは、レンジャー曰く「雄同士の戦いに負けたサイ」なのだそう。自然界の熾烈な戦いを垣間見る。右:食べ終わってお腹がいっぱいになったら、即、ごろんと横になって気持ちよさそうに熟睡。
その後も、続々とビッグ5に遭遇。これも、動物が活動している場所や出没する時間を熟知し、自然を心から愛し守ろうとしているレンジャーがいてくれてこそ。
モーニングサファリの途中、車をとめて朝のティータイム。野鳥が鳴く中でいただくお茶はとてもおいしい!
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 - 文・撮影=芹澤和美
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