武漢風北京ダックで食べおさめ、直行便で東京へ

中国料理というとまっさきに思い浮かぶ北京ダック。ここ武漢では、鴨の首肉がおいしい「武漢ダック」を堪能。

 最後の晩餐は、街で知られるレストランへ。「広州の食い倒れ、上海の着倒れ、武漢はその両方」とも呼ばれるだけあって、この街は食べ物が豊富でおいしい。豆腐を餡にした「豆腐園子」は、モチモチとした食感ながら、胃にもたれずヘルシーな料理。「蒜香排骨」はニンニクの風味が香ばしい子豚のスペアリブ。日本ではあまりメジャーではない湖北省の料理だが、案外となじみがあるものだった。

豆腐園子(左)と蒜香排骨。一流レストランで食べても、価格は上海や北京などよりも、はるかにリーズナブル。
紹興酒は中国東部のお酒。ここ武漢ではあまり見かけないが、大きなレストランには置いてあることも。最後の晩餐で訪れたレストランでオーダーすると、可愛らしい徳利セットとともに登場。外側の器にお湯を入れれば熱燗、氷を入れれば冷酒になるというスグレモノに、思わず目が釘付け。

 ひたすら食べ続けた重慶、武漢の旅も、いよいよ終わり、武漢から直行便で帰国の途に。今回、往路の重慶への直行便とあわせて利用したのは、春秋航空日本(Spring Japan)。

左:往路の重慶線の中では、機内体操も。想像以上に盛り上がって、なかなか楽しい。
右:出発の72時間前までに予約注文すると食べられる和食のお弁当。機内では、福島県・榮川酒造の限定ボトルも販売。
若緑色の制服も爽やかなSpring Japan。笑顔もステキ!

 出発前は「中国のLCC?」と勘違いしていたけれど、実は日本のエアライン。中国・上海に拠点を置く春秋航空グループのLCCで、国際線は重慶と武漢に就航している。パイロットや客室乗務員はほとんどが日本人で、もちろん、サービスも日本流。日本語にも堪能な中国人の客室乗務員は、笑顔で重慶や武漢の話をしてくれた。

 成田からは、重慶まで約4時間、武漢まで約3時間。中国の内陸部もぐんと行きやすくなっている。上海や北京のような国際都市も楽しいけれど、内陸の街も、これからはもっと気軽に旅ができそうだ。

芹澤和美 (せりざわ かずみ)
アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.serizawa.cn

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2016.06.28(火)
文・撮影=芹澤和美