【次に流行るもう一曲】
ケツメイシ「さらば涙/君と出逢って」

名曲「さくら」を思いださせる曲調

伊藤 2曲目はケツメイシの「さらば涙」、DHCのスキンケアのCMで流れているのでよく耳にしましたが、いかにもケツメって感じ。ケツメイシといえば「さくら」、今回の曲も、それを思い起こさせる曲調なんです。あぁ懐かしいなって思いました。

山口 ケツメイシ好きです。日本的な情緒感の取り込み方とか、大衆性と音楽性の共存とか、バランスの良いプロデュースがされた作品が多いですね。「さくら」も名曲ですね。

伊藤 「さくら」って2005年2月のリリースだったんですけど、オレは当時NEWSのプロデュースをしていました。同年の4月に発売した『touch』というNEWSの初アルバムには、ケツメイシのRyoji作詞作曲の「柔らかなままで」を起用しています。「さくら」がブレイクする前からケツメイシに目を付けていましたし、ブレイクのタイミングで彼らの曲を起用できたことはツイてましたね。

山口 さすがの目利き力。いや耳利き力というべきですか。伊藤さんの耳利き力が活きましたね。

伊藤 耳利き力(笑)。調子にのって言うと、GReeeeN「愛唄」の直後、彼らの楽曲提供で「weeeek」をNEWSでリリースしてヒットさせたし、叶わなかったけどブレイク前のRADWIMPSや湘南乃風にも声をかけていたし、オレって意外と先見の明がありますねって……だったら、ここでもちゃんとヒット予想を的中させないとですね(笑)。

ケツメイシ「さらば涙/君と出逢って」
エイベックス・エンタテインメント 2016年3月16日発売
[CD+DVD]1,800円、[CD]1,000円(税抜)
■本作は、ケツメイシのメジャーデビュー15周年第1弾シングル。「さらば涙」は、DHC「F1」スキンケアのCMソング。同CMに登場する鈴木ちなみは、本作のジャケット写真およびミュージックビデオにも出演している。ケツメイシは2016年8月6日(土)、日産スタジアムにおいて、ファン投票による選曲で史上最大規模のライブを行う。
■「さらば夏」作詞/ケツメイシ 作曲/ケツメイシ、守尾崇
■オフィシャルサイトURL http://www.ketsume.com/

【動画サイト】
「さらば涙」

URL https://www.youtube.com/watch?v=yJjazvJiGwM

山口哲一 (やまぐち のりかず)
(株)バグ・コーポレーション代表取締役、コンテンツビジネス・エバンジェリスト、音楽プロデューサー。「デジタルコンテンツ白書」(経済産業省監修)編集委員。経済産業省「コンテンツ産業長期ビジョン検討委員会」委員。国際基督教大(ICU)高校卒。早稲田大学在学中から音楽のプロデュースに関わり、中退。1989年、バグ・コーポレーションを設立。音楽プロデューサーとしてSION、村上“ポンタ”秀一のマネージメントや、東京エスムジカ、ピストルバルブ、Sweet Vacationなどの個性的なアーティストをプロデュースする一方、音楽ビジネスとITに関する実践的な研究を行っている。プロデュースのテーマは、新しいテクノロジーの活用、グローバル展開、異業種コラボレーション。2011年頃から著作活動を始め、国内外の音楽ビジネス状況の知見を活かし、音楽(コンテンツ)とITに関する提言を続けている。エンタメ系スタートアップを対象としたアワード「START ME UP AWARDS」をオーガナイズし、プロ作曲家育成「山口ゼミ」や「ニューミドルマン養成講座」を主宰するなど、次世代の育成にも精力的に取り組む、異業種横断型のプロデューサー。近著に『新時代ミュージックビジネス最終講義』(リットーミュージック)、『10人に小さな発見を与えれば、1000万人が動き出す。』(ローソンHMV)、『最先端の作曲法 コーライティングの教科書』(リットーミュージック・共著)、『とびきり愛される女性になる。 恋愛ソングから学ぶ魔法のフレーズ』(ローソンHMV・伊藤涼との共著/「ラブソングラボ」名義)、『DAWで曲を作る時にプロが実際に行なっていること』(リットーミュージック)、『世界を変える80年代生まれの起業家 起業という選択』(スペースシャワーブックス)、『プロ直伝! 職業作曲家への道』(リットーミュージック)などがある。
Twitter https://twitter.com/yamabug
BLOG http://yamabug.blogspot.jp/
詳細プロフィール http://yamabug.blogspot.jp/2010/05/profile.html

伊藤涼 (いとう りょう)
音楽プロデューサー、ソングライター。「青春アミーゴ」などのミリオンセラーをプロデュース、後にフリーランスに。ソングライターとして、乃木坂46「走れ!Bicycle」、AKB48「ここにいたこと」などの作品がある。作詞アナリスト、フードミュージックプロデューサーとしても活躍。論理的で明晰な分析力に注目。著書に『作詞力 ウケル・イケテル・カシカケル』(リットーミュージック)、山口哲一との共著に『最先端の作曲法 コーライティングの教科書』(リットーミュージック)がある。
マゴノダイマデ・プロダクション http://www.mago-dai.com/
ブログ「伊藤涼の音楽」 http://ameblo.jp/magodai/
伊藤涼が主宰する作詞研究室リリック・ラボ 
https://www.facebook.com/lyric.laboratory/?ref=ts&fref=ts

Column

来月、流行るJポップ チャート不毛時代のヒット曲羅針盤

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2016.03.15(火)
文=山口哲一、伊藤涼