世界屈指の火山列島であり、そのために災害を被る日本。しかし、火山が生み出す温泉は「古来、この国に多様な恩恵をもたらしてきた」と歌人で小説家、実業家の小佐野彈さんは語ります。
ここでは、温泉文化に通じ、温泉ソムリエの資格も持つ小佐野さんがおすすめする、宿泊せずとも楽しめる「日帰り温泉」8選を紹介します。
◆◆◆
四万の病を治す霊泉
1、積善館(群馬県・四万温泉)
まずは四万温泉から。江戸時代より四万の病を治す霊泉、と誉れ高い湯郷だ。
「源泉の数が多く、圧倒的な湧出量。公共の飲泉所や入浴施設も充実し、町中で湯の文化が守られていると感じます」と小佐野氏。
四万を代表する名宿、積善館は創業1694年。
クラシカルな趣を守る本館では江戸から継ぐ湯治の真髄に浸ることができる。
2、酸ヶ湯(すかゆ)温泉(青森県)
八甲田連峰の西麓、標高925mの高地に酸ヶ湯温泉はある。
大自然に湯煙を上げる名泉は江戸時代より知られ、1954年には国民保養温泉地第一号に指定された。今でも湯治場の風情を保ち、効能豊かな酸性硫黄泉を掛け流す。
名物は混浴大浴場「ヒバ千人風呂」。4つの異なる源泉の湯で湯船を満たす。
小佐野氏は日本古来の温泉の在り方を見るようだと話す。
「地場の人たちにとって温泉は共有財産。日本の混浴文化も残り、みんなが有り難い薬効をもたらすお風呂に和気藹々と集まり、お湯を分け合っている。温泉の力を確かに感じます」
