熱心すぎるアプローチと企画趣旨に共感した

――これまでの商品の仕入れ・卸先という関係から、一歩進んだ関係になりたいと。

矢嵜 まずは1時間ほどかけて、ツアーの話というより私たちOMOレンジャーの活動について、丁寧に説明させていただきました。私の思いが強すぎたところもあって、最初はちょっと引かれてしまったかも知れません(笑)。

 「社内で検討させていただきます」と言われてから、しばらくご連絡がなくて……これは嫌われてしまったかも!? と思いつつ、どうしても気持ちが先走って、電話やメールを重ねてしまい。ご迷惑をおかけしました。

明石 そんなことないですよ(笑)。当時はたまたま、社内の異動などでバタバタしていただけで、こちらこそスミマセン。でも、矢嵜さんの情熱に心打たれたのは確かです。サーターアンダギーと同様に、沖縄ぜんざいについても、ただおいしいだけじゃなく、伝統や文化背景を含めて伝えられそうな企画だと思いました。

矢嵜 「やりましょう!」と言っていただけて、本当に嬉しかったです。改めて、琉宮さんの沖縄ぜんざいの作り方やこだわりを直接お話しいただき、「ぜひ食べてください」と出していただいたのが、私にとって人生初めての沖縄ぜんざいでした。

――えっ! 食べる前に依頼したのですか?

矢嵜 実は個人的に豆が苦手でして……。自分から食べようとは思ったことがなかったのですが、お話を聞いた上で食べてみたら、ひと口ひと口、本当においしくて驚き、感動しました。一生忘れられない味です。それ以来、私にとっての沖縄ぜんざいはこれだけ、というくらいの存在で、この味とストーリーを絶対にツアーの参加者に伝えたいと思いました。

明石 私は沖縄の食文化に魅せられて九州から移住してきた人間ですが、家内はうちなーんちゅ(沖縄人)。うちの沖縄ぜんざいは、家内の実家で代々作られてきた、宮廷から広がったとされる“あまがし”がベースになっています。

――一般的な沖縄ぜんざいは、氷の下に金時豆を甘く煮たものが入っていますが、琉宮のぜんざいは、それだけじゃないですよね。

明石 あまがしは、緑豆や小豆、押し麦などを黒糖で甘く煮たもので、体にこもった熱を取り、胃腸をいたわり、かつ体を冷やしすぎないという、体にやさしいおやつです。現代の沖縄ぜんざいは、かき氷をのせて冷たくして食べるのが一般的ですけれど。

 小豆ではなく金時豆を使うのは、戦後のアメリカ統治時代、安価な米軍物資や輸入の金時豆のほうが手に入りやすく、それが普及したためといわれています。

明石 この企画をきっかけに、社内でも改めて、あまがしについてまとめた資料を作りました。ツアーのお客様を迎えるための準備ですが、結果的に社員の勉強にもなって良かったと思っています。

――パネルを使った説明が、とてもわかりやすかったです。ツアーでは、市場でもいろいろと試食させてもらえるので、ミニサイズの沖縄ぜんざいとサーターアンダギーが、ちょうどいいデザートになりました。店長の田鍋さん、実際にツアーが始まって、いかがですか?

田鍋 「市場まーさんぽ」のツアーが始まってからは、以前より丁寧に商品の背景をお伝えする機会が増え、スタッフ全体のレベルアップにつながっていると感じます。ただ、外国のお客さんの対応は今も課題です。

田鍋 翻訳機があっても、例えば中国語だと方言が複数あって、伝わりきらないこともありますね。でも、いろいろなお客様に対応することがマンネリを防ぎ、さらなる工夫のきっかけになるんじゃないかと。

 ツアーの反応がいいと、一度食べて帰られた海外のお客さんがもう一度食べに来てくれたり、「おいしかった!」と、お土産をたくさん買っていってくれたりすることも多く、とても励みになっています。


――最後に矢嵜さん、今後の展望を聞かせてください。

矢嵜 沖縄の食とひと口に言っても、じつにさまざまなジャンルやルーツがあって、掘り下げようと思えばいくらでも掘り下げられます。OMOレンジャーは那覇の街が好きだからこそ地元で働いているので、観光客の方がなかなか足を踏み入れないような、地元の人にとってもディープな場所にお連れできることに意味があると思っています。

 琉宮さんのように、こだわりを持ってお店や商品を作っている人たちは、まだまだたくさん眠っているはず。日々地元を深堀りして、「市場まーさんぽ」を進化させていけたらと思います。

 「OMO」は、星野リゾートが全国に18施設を展開する「テンションあがる『街ナカ』ホテル」。2026年1月に「OMO5横浜馬車道 by 星野リゾート」、4月に「OMO7横浜 by 星野リゾート」が開業し、話題を呼んでいます。

 「OMO5沖縄那覇」は、那覇空港や国際通りからも好アクセスで、さまざまな沖縄旅の拠点となるホテル。後篇では、施設の魅力や、夜のアクティビティを中心にご紹介します。

OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート


所在地 沖縄県那覇市松山1-3-16
電話番号 050-3134-8095(OMO予約センター)
宿泊料金 1泊1室16,000円~(税込・食事別)
客室数190室
チェックイン 15:00/チェックアウト 11:00
アクセス ゆいレール「県庁前駅」から徒歩6分・「美栄橋駅」から徒歩8分、那覇空港から車で約8分(国道58号線沿い)
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo5okinawanaha/
◆Wi-Fiあり

星野リゾートでは、今回ご紹介した地域に密着した新感覚の都市型ホテル「OMO」のほか、圧倒的な非日常を愉しむ「星のや」、ご当地の魅力に出合える温泉旅館「界」、豊富なアクティビティが魅力の「リゾナーレ」、仲間と楽しく過ごす「BEB」、心揺さぶる山ホテル「LUCY」など、国内外に個性的な宿泊施設を展開しています。

詳しくはCREAWEBの特設サイトをご覧ください。
https://crea.bunshun.jp/list/crea-hoshino

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