お土産にも喜ばれる縁起の良いタイルグッズ
台北から嘉義までは台湾高速鉄路(台湾高鉄)とバスを乗り継いで約2時間。嘉義は阿里山観光の玄関口として知られ、戦前には木材産業で栄えました。今でも市内には歴史を感じられる建物が数多く残り、なかにはカフェや民宿などに生まれ変わっているところも。これらは街に新たな魅力を添えています。
そんな嘉義で近年注目されているのが、和製マジョリカタイルをテーマにした「台湾花磚博物館」。台鉄嘉義駅から徒歩約10分の場所にあり、かつては材木店だったという趣ある老家屋を活用しています。
和製マジョリカタイルは、英国ヴィクトリアンタイルに着想を得て、大正から昭和初期にかけて日本で独自に発展した装飾タイル。当時は台湾のほか、シンガポールやインドなどにも輸出され、台湾では富裕層の邸宅を彩る装飾として広く用いられていました。
現在も台湾中西部の彰化や嘉義、台南といった地方都市のほか、金門や澎湖などの島々では、伝統家屋の門や屋根、壁、家具などにその姿を見ることができます。
幾何学模様や花、果物、鳥などを描いた色鮮やかなタイルは、眺めているだけで心が躍ります。なかには、福を招くというパイナップルや子孫繁栄を願うザクロなど、台湾向けにデザインされた縁起のよい意匠も残されています。
館長、そしてオーナーでもある徐嘉彬さんはIT企業で働くエンジニアでしたが、これらのタイルに魅せられ、約20年にわたり台湾各所で収集を続けてきました。伝統家屋の取り壊しを知ると現地へ駆けつけ、家主の許可を得て、一枚ずつ丁寧に取り外してきたといいます。そのコレクションは1万枚以上にもおよびます。
博物館では収集と保存にとどまらず、復刻版タイルの制作にも取り組んでいます。これらを記念品・お土産品として販売されているほか、実際にタイル作りを体験できるワークショップなども開催されています。
徐さんは、書籍の出版や講演活動を通じ、マジョリカタイルの魅力を発信し続けてきました。こうした地道な活動が実を結び、今では台湾はもちろん、海外からも多くの人が博物館を訪れています。大きな施設ではありませんが、今や嘉義を代表する観光スポットとなっています。
館内では、和製マジョリカタイルをより身近に感じてもらえるよう、アクセサリーや生活雑貨などのオリジナルグッズも取り扱っています。そして、伝統家具のほか、タイルの歴史や製法を紹介する展示も充実しており、見応え十分。時間に余裕をもって見学し、お気に入りの一品を探してみてください。
なお、毎年恒例の「花タイル日めくりカレンダー」も、人気商品の一つです。秋頃に公式サイトなどで販売情報が発表されるので、気になる方はぜひチェックしてみましょう。日本語版にも期待が集まります。
