1972年に創業、地域で愛され続けるベーカリー
MRT行天宮駅から徒歩約3分。生活感が漂う松江市場の向かいに位置する「大普美藝術蛋糕」は、今年創業54年を迎えるベーカリー。朝早くから夜遅くまで、ひっきりなしに近所の人が訪れる地域密着の人気店です。
創業者の何進興さんは、15歳の頃から中華菓子の名店で修業を積んだベテラン。「現代人が気軽に郷土菓子を楽しめるようにしたい」という思いから、西洋の技術を取り入れながら、改良に改良を重ねてきました。
現在は、食品科学の博士号を持つ子息の何承璋さんが店を継ぎ、切り盛りしています。承璋さんは常に市場の動向をチェックし、「今、何が流行しているか」を探りながら商品づくりに取り組んでいるそうです。
店内の棚には、台湾式のお惣菜パンからレトロな西洋菓子、伝統的な台湾菓子までがずらりと並びます。商品数は100種以上。これらはすべて店の上階にある工房で、職人たちの手によって一つ一つ作られています。
パイナップルケーキのほか、レモンケーキやバナナケーキ、スポンジケーキ、クッキーなども揃っており、どれを選んでもはずれがありません。なかには「紅豆丸(こしあんを砂糖で固めたもの)」といった、今では台湾でも希少な存在となっている駄菓子なども並びます。
さらに、桃の形をした中華まん「壽桃」は看板商品の一つ。台湾では道教神の生誕祭に供えたり、年配者の長寿を祝う席で振る舞ったりする風習があります。ここの壽桃はミルクやバターを使っているのが特色で、ふんわりとやわらかな口あたり。北部から南部まで、台湾各地の寺廟からも注文が入るといいます。
そのほか、旧正月には正月用のお菓子が店頭に並び、元宵節(旧暦1月15日)には、店先で職人たちが大きなザルを揺らして「元宵」という団子を作る様子を見ることができます。季節の行事とともに、人々の暮らしに寄り添ってきたベーカリーです。
台湾土産や旅のおやつにぴったりのお菓子がきっと見つかるはず。街歩きの途中で、ぜひ立ち寄ってみてください。
