人々がパンチくんに熱い視線を送っている裏で……
SNS上にさまざまな意見が集まっていることについて、安永さんは「ありがたいこと」と感謝します。動物福祉は時代によって変化し続けていますが、人間と動物が会話できない以上、動物にとっての最適解は模索し続けるしかありません。
安永さんは「パンチは多くの人の心を動かすと同時に、たくさんの人がニホンザル、日本の動物園について考える機会をもたらしました。そういう意味でも、人々の心を動かせたのだとしたら何よりです」と話します。
「動物園は博物館法に基づく教育施設です。私も飼育員と一緒に仕事をしたり、動物園水族館協会(JAZA)の総会に出て勉強したりする中で、動物園に社会的ミッションがあることを改めて認識しました。動物福祉、種の保存といった意義を踏まえた上で、どうしたらお客さんに来てもらえるのか、楽しく学んでもらえるのかをこれから大切に考えていきたいと思っています。
市川市動植物園では今年3月、クラウドファンディングで集まった寄附金を使って、マンドリル、ボリビアリスザル、エリマキキツネザルを日当たりのいい場所で展示する施設「おさるーむ」が完成しました。また、ヤギが上空2、3メートルくらいの高さの平均台を歩く施設も人気を呼んでいます。
「当園を応援してくださる人が増えつつあることは常に実感していますし、我々のスタンスを丁寧にお話しすることで理解いただけることも多いと感じています。当園には大型動物はいませんが、馬や牛、アルパカなどが身近に見られる動物園です。
ニホンザルがいるサル山は連日賑わっていますが、みなさんがサル山に集中しているすぐ後ろを、アルパカがのんびり散歩しているんです。その面白さに気づいてくださる方が増えたら嬉しいですね」(安永さん)
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市川市動植物園
所在地 千葉県市川市大町284番地1
https://www.city.ichikawa.lg.jp/site/zoo/
