友だちから言われた、これ以上ない誉め言葉
――その違和感をなくすためのリテイクは、李監督からだけでなく、黒川さん自身も自らお願いしていたのでしょうか?
それはなかったのですが、例えば、喜久雄を演じているのに、僕が明日の学校のこと考えていたらおかしいじゃないですか。そんなときは、必ず李さんが「今の芝居、どうだったと思う?」と聞いてくださった気がします。
そのことを李さんは邪念と言っていましたが、僕が「邪念なくできた!」と思っていても、「もう一回!」と言われることもありました。「自分の意識しないところでも、邪念を感じるのは、一体何なんだ?」と、ビックリしたりもしました。
――ちなみに、黒川さん自身は、「強い人間」だと思いますか?
例えば、賞をいただいたときや、仲のいい友だちと話しているときなどに、どこかで弱さを感じることがあります。そのとき、「どうしたら、僕は強くなれるんだろう?」と、漠然としながら考えてしまいますね。
――そんな『国宝』を映画館で観た黒川さんの友人が、黒川さんが出演されていることにまったく気付かなかったというエピソードがありますが、どのように思いました?
『国宝』と黒川想矢を切り離して観てくれたのか? 黒川想矢を感じるシーンがなかったのか? よく分かりませんが、「ちょっと出ていたんだけどな……」という気持ちもありながら、もし友だちが喜久雄という役で観てくれたとすれば、これ以上の誉め言葉がないぐらい、めっちゃ嬉しかったです!
――インタビュー後篇では、今年のアカデミー賞候補になったフランスアニメ『ARCO/アルコ』の吹替えについて伺います。
黒川想矢(くろかわ・そうや)
2009年12月5日生まれ。埼玉県出身。5歳より芸能活動を開始し、2023年『怪物』の主人公に抜擢され、「第47回日本アカデミー賞」新人俳優賞や「第66回ブルーリボン賞」新人賞などを受賞。2025年公開の『国宝』『この夏の星を見る』では、「第17回TAMA映画賞」最優秀新進男優賞、「第38回日刊スポーツ映画大賞」石原裕次郎新人賞を受賞。舘ひろしと共演した『免許返納!?』が6月19日公開予定。
『ARCO/アルコ』
気候変動により荒廃が進んだ2075年の地球。10歳の少女イリスは、ある日、空から虹色の光を放ちながら降ってきた不思議な少年を助ける。その少年アルコは、虹色マントの力によりタイムトラベルが可能になった遥か未来から不時着したのだった。そしてその不思議なマントを手に入れようと、謎の3人組が迫ってくる。イリスとアルコは、追っ手を振り切りながら、元の時代に戻る方法を探す旅に出る。冒険の果て、二人が目撃する衝撃の未来とは――。
監督・脚本:ウーゴ・ビアンヴニュ 声の出演:黒川想矢、堀越麗禾、梶裕貴、山里亮太ほか
ほか 原題:ARCO 配給:AMGエンタテインメント / ハーク
2026年4月24日(金)公開
https://arco-movie.jp/
