「舘プロに入りたい!」と、舘ひろしに直談判

――2023年に公開された『怪物』での演技は、各方面から高く評価され、「第47回日本アカデミー賞」や「第66回ブルーリボン賞」などの多くの映画賞で新人賞を受賞されました。それによって、心境の変化はありましたか?

 基本的にカメラや映画館のスクリーンに映っている自分は、ほとんど自分じゃないと思っているんです。監督さんだったり、メイクさんだったり、衣装さんが作ってくれた自分。なので、いろんな賞をいただけることは、素直に嬉しかったのですが、どこかで「100%の自分じゃないんだよな……」とも思っています。だから、ちょっと不思議な気持ちだったりします。

――その後、2021年放送のドラマ「剣樹抄~光圀公と俺~」では、現在の事務所(舘プロ)の創業者でもある舘ひろしさんと出会いました。

 たぶん『怪物』のオーディションを受けていたときが、ちょうど「剣樹抄」の収録の終盤だったかと思います。その後、同時進行でいろいろあって、『怪物』の撮影のときには、「僕を舘さんの事務所に所属させてください!」と、舘さんに直接お願いしていました。

――当時、小学6年生だった黒川さんが、そこまで舘さんに惹かれた魅力は何だったのでしょうか?

 僕のような子役に対しても、同じ目線で、演技についてだったり、いろいろなお話をしてくださったことです。それが僕にとって、とても衝撃的で、嬉しかったんです。「『剣樹抄』の収録が終わっても、舘さんが僕の近くにいてくださったら、とてもありがたいし、嬉しいな」と勝手に思ってしまったんです。それで、「舘さんの事務所、どこですか?」ってお聞きして、「じゃあ、舘プロに入れてください!」とお願いしていました。

 今、冷静に考えたら「何言ってんだ?」って思うような話なんですけれど(笑)、念願叶って、舘プロに所属することができて、本当に幸せです!

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