いくつものトラブルを乗り越えて

近田 でもさ、ここまで、ただ順調なだけじゃなかったんでしょ?

安野 よくご存じで。目黒の権之助坂の近くに最初の実店舗をオープンしたのは2011年の1月だったんですが、その直後、3月に東日本大震災が起きました。

近田 そりゃあ大変だっただろうね。ジュエリーみたいないわゆる贅沢品を買おうっていうムードじゃなかったもんね。

安野 その後、2018年に店舗を表参道に移転し、何とか軌道に乗ることができたんです。その勢いで東京駅前の新丸ビルに出店しませんかという誘いがあり、「えいっ」とお店を出したら、2、3カ月後にコロナ禍が始まっちゃった。

近田 ということは、2019年の話だね。

安野 しかも、東京において、その最初期にコロナの感染者が確認された商業施設のひとつが、当の新丸ビルだったんですよ。新丸ビルどころか、丸の内そのものに人がまったく寄り付かなくなっちゃった。

近田 うわあ、運に恵まれないねえ。

安野 新しいことを始めて少し上手くいくと、ガッと奈落に落とされる。私の人生、その連続ですよ。

近田 コロナの後は?

安野 お店にはお客様のご来店が一向に回復せず、苦戦が続きました。ECサイトもハッキングに遭ったりして、かなり厳しい状況が続きましたね。

近田 一難去ってまた一難って感じだね。

安野 そんなこともあって、とにかく、こういうリスクに備える保険に関しては、一番補償額の大きい商品に加入しておいた方がいい。変にケチっちゃダメ。必要経費なんだから、そこはお金を惜しんじゃいけないってことが分かりました。

近田 勉強になるねえ。安野が池袋西武で果物をぶら下げて踊ってた頃は、50年近く後にこんな話をすることになるとは夢にも思ってなかったよ(笑)。

安野 私も成長したんですよ(笑)。

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