私が演じるゴネリルは、現代だったら敏腕社長になっていそうな人物

――石原さんが演じる長女・ゴネリルは、巧みな言葉で父・リア王を喜ばせて領土を手に入れ、その後に裏切るという役どころです。石原さんにとって、いわゆる“悪役”を演じるのは珍しい印象もあります。

 ゴネリルを悪役だと、私はあまり思ったことがないんです。とても人間らしい存在ですよね。父親に愛してもらいたい、どこか愛に飢えている部分があるのではないかなと感じています。

 彼女は、父が求めている愛の形を理解していて、それをきちんと伝えようとしている人物。単に父を騙そうとして巧みな言葉を使っているのではなくて、「あなたが欲しい言葉を、私は知っています。それを与えますよ」という意思表示のようにも思えるんです。

――お父さんが求めている言葉を理解している、というメッセージでもあると。

 私はそう解釈しています。それに、ゴネリルってとても理論的で、理性的な女性ですよね。長女としての責任感の強さも感じます。リア王が引き連れている家臣の人数を減らさせる場面なども、かなり合理的ですし。

 もし現代にいたら、すべてを数字で判断するような、敏腕な経営者になっていそうだなと思います。いわゆる悪役として一方向から見るのではなく、いろいろな角度から捉えると、人間らしさと合理性がちょうどいいバランスで共存している人物ですよね。

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