早春の訪れを告げるシンボルのひとつとして、古くより親しまれてきた梅の花。西日本で随一の規模を誇る兵庫県たつの市の綾部山梅林では、日本人の心を思い起こさせる春の風景が広がります。24ヘクタールの敷地に植えられた紅白梅約8000本が5部咲きに近づく2月下旬に、綾部山梅林を訪れました。

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ハイキング気分で楽しむ梅林の絶景

 綾部山梅林は「ひと目二万本」とも称される梅の名所。山の斜面に沿って植えられており、絶景地である頂上に向かいながらハイキング気分で楽しむことができます。

 コースは緩やかな坂道が続くため、歩きやすい服装がおすすめ。また頂上付近に近づくにつれ日差しが強く感じられるため、帽子やサングラスの着用など日焼け対策もすると安心です。

 道順に沿って歩き、頂上付近に近づくと一気に視界が開け梅林の奥に瀬戸内海が出現。遠浅で淡いブルーの瀬戸内海と梅の花のコントラストは、ここでしか見ることのできないとっておきの絶景です。

 綾部山梅林の7割以上を占めるのは、白い玉英。その背景には、梅園が梅の実の栽培を目的として誕生したことが関係しています。梅干しや梅酒など、食用向きの品種であることから玉英が中心に植林されたそうです。

 梅園で見られる林州や小梅類といった他品種の梅は、単種では受粉ができない玉英の受粉樹として植えられたもの。紅白の梅の風景はもともとは梅の実の栽培ありきで生まれ、図らずとも紅白のその美しさに至りました。

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