なぜ“そこ”で寝ていたのか?
Yさんはこたつの中にいたのです。
絶叫したくても声が出なかったYさんが息を止めながらバタバタもがくと、重い布団がようやく押し上げられ、冷たい外気と光がワッと押し寄せてきました。
「ああ、くるしかったぁ~」
こたつから這い出したYさんが顔をパッと横に向けると、部屋の戸口に恐怖に顔を歪めるYさんが立っていました。
彼は「わっ、わあぁーーーーー!!」と大きな声を上げ、ドシンと尻餅をつきました。
その瞬間、こたつから顔を出していたYさんの意識はぷつりと途切れました。
「どうしたの!? おっきい声出して……」
気がつくとYさんは大勢の親族たち、そして両親に囲まれていました。
抱きかかえられながら起き上がると、そこは物置の中でした。
なぜ、自分が物置の中で寝ていたのか。大人たちに何度問い詰められてもYさんはうまく事態を説明できず、物置で遊んでいるうちに変な夢でも見たのだろう、ということで片付けられてしまいました。
その日の話し合いは夕方ごろには終わり、Yさん一家は食事をした後屋敷には泊まらずに、車で帰路に着いたそうです。
その日以来、Yさんはあの屋敷や親戚には二度と顔を見せていません。
あの日のことや親族のことをYさんが両親に聞こうとすると、2人は露骨に嫌な顔をして黙ってしまうそうです。
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