「なんで男の子ってわかったんですか」
急に大きな声を出して、さも“怪談のオチですよ”と言わんばかりに手を広げたN先輩。
確かに不気味ではありました。しかし、これで終わりというのはどうにも腑に落ちません。肝心の不気味な子どもが出てきて、ここから何が起きるのかという段階に思えたのです。
自慢げなN先輩の表情をよそに、一同は話の尻すぼみな終わり方に黙ってしまいました。
そのとき、最初に話を振った後輩の女の子が聞き返してしまったのです。
「あの、先輩、その子どもって首がなかったんですよね……」
「うん」
「じゃあなんで男の子ってわかったんですか……シルエットだけなら髪型とかでも見えないとわからなくないですか……?」
「え」
N先輩は、彼女の言葉に面を食らって黙りこくってしまいました。その表情は考え込むように下を向き、どんどんと曇っていったのが皆の不安を煽ったそうです。
「……そういえば、なんでなんだろうな、なんでだ……。あっ、そうだ『夜は寒いでしょう。どうぞゆっくりしていってください』って声かけられてさ、その声が男の子だったんだよ。別に首なくても声がしたらそれくらいわかるだろ?」
そう言って顔を上げたN先輩は笑っていたそうです。
