FRED
「フォース10」のブレスレット
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腕には、いつもバングルやブレスレットなど数本を重ねづけしています。最近、かなりの頻度でつけるブレスレットが、フレッドの「フォース10」。ケーブル部分のカラーバリエーションが数多く揃っていますが、どの色を選ぶかで印象ががらりと変わります。私が好きなのはベーシックなニュアンスカラー。カーキを愛用していますが、どんな洋服にも馴染んでくれるところが気に入っています。
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「フォース10」のいいところは、地金のバングルとブレスレットの中間のようなイメージで使えること。ケーブルもダブルに巻くものやシングルタイプなどあり、色と合わせて自由なコーディネートが楽しめますが、私は同色のグレーでまとめ、3本をレイヤードしてみました。
実はバックルも地金の色やダイヤモンド、色石がセッティングされたものなど豊富に揃うのですが、全て同じホワイトゴールドで統一。あえてジュエリーを目立たせず、洋服に溶け込ませることで、余韻のあるスタイルに仕上げました。グレーだと、時計やほかのジュエリーと合わせても、しっくり馴染むと思います。
ジュエリーを特別視するのではなく、同系色の服を注意深く重ねていく延長線上でコーディネートを考えるといいと思います。
創業者フレッド・サミュエルの息子が、妻のために作ったブレスレットとして1966年に誕生、フレッドのアイコン的存在となった「フォース10」。ヨットのケーブルやシャックルをモチーフにしたデザインで、極細のステンレススティールを編み込んだケーブルと、量感のあるホワイトゴールドのバックルがモダン。ケーブルの色、バックル部分の素材やサイズも、バリエーション豊富に揃う。
伊藤美佐季(いとうみさき)
ジュエリーディレクター。30代でイタリアに遊学、帰国後、スタイリストに。ジュエリーや洋服のスタイリングのほか、ジュエリーに関する講演なども行う。
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Column
伊藤美佐季のジュエリーのある人生
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2016.01.20(水)
photographed=Masashi Ikuta(makiura office)
Styling=Misaki Ito
hair=ABE(M0)
make-up=Mariko Shimada(Takahashi Office)
model=Estella Brons
text=Miwako Yuzawa
CREA 2016年2月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。