#069 Jumeirah Beach
ジュメイラビーチ(アラブ首長国連邦)

ラマダン中のドバイはいつもとは違う顔

敷地内に運河をめぐらしたリゾート、マディナ・ジュメイラ。

 ここ数年、日本の夏はまさに灼熱地獄だけれど、猛暑の本場といえばやはりミドル・イースト。

 夏のドバイは気温50度を超えることもあり、日中に外へ出れば、暑いというより太陽光が肌に痛い。空気が乾燥しているので、日本のような蒸し暑さはないものの、直射日光に肌をさらす勇気はなかなか出ない。

 それが、西欧のツーリストはやっぱり強者。リゾートホテルが集まるジュメイラビーチでは、水着姿で日光浴しているのを見かけます。それも一人や二人ではなく、かなりの人数。真っ白な肌は見た目に弱そうなのに、日焼けに対する意地さえ感じさせます。

 冬のドバイの気温は10度台前後。これからが過ごしやすいシーズンです。

左:ダウ船のマストをイメージした高層ホテル、バージュ・アル・アラブがアイコンになったジュメイラビーチ。(C)ドバイ政府観光・商務局
右:世界一美しいといわれるスターバックスは、ショッピングモールのイブン・バトゥータ・モール内。

 私がドバイを訪れたのは夏の猛暑、しかもラマダンの真っ只中。ラマダンとはイスラム教徒が約1カ月間、日の出から日の入りまでの日中、断食という自己鍛錬を通じて自分の恵まれた立場を認識し、家族や平和に感謝する宗教行事。ヒジュラ暦の第9月に行われ、毎年期間が異なるのですが、私が行った時はちょうど夏にあたっちゃったんです。

 たとえ気温50度の炎天下でも、水を口にしてはいけません。そのため、昼間は外出を控えるのか、どのショッピングモールに出かけても、閑散としています。けれど、それが日没を迎えると、人々はわらわらと街へ繰り出し、レストランなどは溢れかえるほど大賑わい。

「スパイススーク」で見かけた、ラマダン時も働く男性。料理上手なら、大量買いしてあげるのですが……。

2015.11.07(土)
文・撮影=古関千恵子