Magnificent View #401
サイゴン大教会(ベトナム)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 ホーチミンを象徴する建築物といえば、サイゴン大教会。フランスの植民地だった1863年から1880年にかけて建てられた、ネオ・ゴシック様式の建物だ。後に増築された教会両側のシメントリーの塔とともに、バイクが行き交う賑やかな市の中心地で、荘厳な佇まいを見せている。

 フランスが本国から建築資材を持ち込んで建てたこの教会、壁の赤レンガは、すべて本国のマルセイユから取り寄せたものだ。

 外観はフランスにある教会そのもの。だが、気密性の高いレンガ建築がベトナムの蒸し暑い気候に合わず、内部はまるでサウナのようになってしまったという。その対策として施されたのが、壁の穴。側面の壁にある幾何学模様の穴は、デザインではなく、風を通しやすくするためのものだ。

 カトリック教徒も多いベトナム。休日にはミサが行われ、多くの敬虔な信徒がここで祈りを捧げている。通常の見学は外観のみだが、レンガ造りの美しい建物は一見の価値あり。ホーチミン観光には欠かせない場所でもある。

Column

今日の絶景

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2014.11.05(水)
文=芹澤和美