アンティークショップがずらりと並ぶレコンキエウ通り
可愛い雑貨もいいけれど、少し変わったお土産ものを探したい。そんなときはホーチミン市1区にある骨董通りを訪れてみてはいかがでしょう。ベンタン市場前のロータリーから歩いてすぐ、美術博物館角の交差点から始まるレコンキエウ(Le Cong Kieu)通りは、200メートルほどの路地の両側に50軒ほどのアンティークショップが集まる骨董街。ガラス張りの近代的なデザインの建物が立ち並ぶ市中心部にありながら、昔ながらの雰囲気を残す独特の空間となっています。
実はこのレコンキエウ通り、立ち並ぶ家々もフレンチコロニアル様式の雰囲気を残した古いものが多く、扱う商品と相まって、ホーチミン市でも数少ないフランス領時代の趣を残す古い路地として知られています。現在はベトナム人経営のお店が並んでいますが、界隈はもともとアラブ系の人々が多く住んだ地域。ベトナム戦争終結後に彼らが自国に戻り、空き家が多くなったこの通りをハノイからやってきた人々が譲り受け、古本や陶器、天井ファンなど、残された家財道具はじめ、さまざまなものを販売したのがその発祥といわれています。その後、1990年代以降になると各国からやってくる旅行者への販売も始まり、今ではホーチミン市随一の骨董街として名を馳せるようになりました。
text:Noriaki Sugita