右:細い階段をあがった先がカフェの入り口
ベトナム・ホーチミンには仏領時代の名残を受けたコーヒー文化が今もなお根強く残っています。街中にはパラソルを掲げたテラス風のカフェが立ち並び、道行く人を眺めながらのんびりコーヒーを楽しむベトナム人の姿も多く見られます。
しかし、そんなベトナムカフェシーンで最近急増中なのが、大通り脇の路地や古いビルの一角に居を構えた小さなカフェ。従来の大型路面店とは違う隠れ家風の店で、流行に敏感な若者たちのほか、昼休みのビジネスマンや在住外国人などが、思い思いの時間をゆったりと過ごしています。
その代表ともいえるのが、この「i.d cafe/アイディーカフェ」。1階にテイクアウトを主とした店舗を構えてはいるものの、メインスペースである2階へは、店の隣にある小さな階段が入り口。これといった看板や矢印もなく、「この先に店が?」と少し不安に思ってしまうほど薄暗い階段を上り、古めかしい扉を開くと、心地よい音楽が流れる極上のリラックス空間が広がっています。
text:Noriaki Sugita