支援が必要なのは「障害があるから」ではなくて

――「満たされないことと向き合う」をテーマに据えた上で、ジョナが勤めることになる小学校の適応学級を舞台にしたのはなぜでしょうか。

松虫 「派手な服を着た女の子が、そういう服が似合わない職場にいたら面白いのでは」というところから、学校を選びました。小学校にしたのは、私も小さいうちに「満たされないと向き合う」ことをやりたかったなと思ったからです。

――実際、特別支援学級や通級(通常の学級に在籍し、一部の授業では別の教室で特別な指導を受ける)などにも取材にも行かれているんですよね。

松虫 はい。2巻の巻末のおまけマンガにも、ジョナが担当するクラスのモデルになった教室のことを描きました。障害があると認定されている子も、そうじゃない子もサポートを受けられる教室です。

 そこの先生が「支援を求めているのは障害認定のある子だけではない」「障害があるからサポートが必要なのではない」とおっしゃっていたのが印象深いです。

 こういう教室は現実にはまだ少ないようですが、こんなふうにみんなと同じようにできない子が、「自分のできること、得意なこと」をやれて、満たされる場所があればと思いますね。

――話すことが苦手な菜知ちゃんが、ジョナのかわいい服を見ることで心の扉が開く。そんなシーンに心打たれます。

松虫 その教室で菜知ができることを増やしたい。ジョナというキャラクターが菜知にしてあげられるのはどういうことかなと考えて。

――かわいい服がみんなを幸せにするというような単純な話ではなく、気が散りやすい子にはそれがノイズになってしまう。そこをジョナが鮮やかに解決するやり方は目からウロコでした。

松虫 ジョナがそれぞれの子の良さをのばしてあげられるやり方ってどんなことだろう。みんなが好きなことをしながら共存できるにはどうしたらいいかな、と考えながら描いています。

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