「ご縁があり、人生をともに歩みたいと思った方が、たまたま歌舞伎俳優だったんです」

――歌舞伎俳優・片岡愛之助さんの妻として歩みを進め、10年。梨園の妻としての重責を全うしながら、伝統の世界を支える裏方として、そして自らの光を放つ俳優として、ふたつの居場所で、どちらも輝き続けるための秘訣を教えてください。

 歌舞伎俳優の妻としての役割と、自身の俳優としての表現。そのどちらも、私の人生に欠かせない大切な一部です。

 タスクに追われ、心が揺らぎそうになったときこそ思考を整えます。すべてを「素晴らしいご縁」と受け止めることで、どんな状況でも前向きに進める、しなやかな強さが育まれるのだと感じています。

――ご結婚する前、梨園の妻になるということで、悩まれたことはありましたか?

 ご縁があり、人生をともに歩みたいと思った方が、たまたま歌舞伎俳優だったんです。

 すべてを完璧にこなせるわけではありませんが、できることは全力で取り組もうという思いで駆け抜けてきた10年でした。

――結婚当初からこれまで、梨園の妻としての務めを果たすために、どのような努力や工夫を重ねてこられたのでしょうか?

 やはり健康がいちばん大切ですので、食事のサポートから始めました。そして、贔屓筋のことは番頭さんに、この世界のしきたりなどは身内、そして先輩の奥様方に聞き、ひとつひとつ教えていただきました。

 お礼状のための書や、季節のしつらえは、日本古来の文化や美意識を学べるサロンに通い続けています。手紙に添える季節の言葉、心を伝える手土産の選び方など、常にアップデートしていくことを心がけてきました。

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