朝に仕上げた分だけが並ぶ、一期一会のケーキ

 お店に入ってすぐのショーケースには、10種類ものケーキがずらりと並んでいた。すべて、洋菓子店や喫茶店で経験を積んだ坂爪さんが腕を振るったものだと聞いて驚く。

 店の営業を終え、扉を閉めると、カウンターは厨房に早変わり。たった一人で翌日の仕込みをはじめ、翌朝も5時半から6時ごろには、ケーキの仕上げに取りかかり12時のオープンに間に合わせるのだという。

 かつては営業中にもケーキや焼き菓子を作っていたそうだが、今はお客さんに向き合う時間を大切にするため、追加で作ることはしないスタイルに。朝に仕上げたものが、その日のすべて。売り切れたら、そこでおしまい。

 どれも美味しそうで、ひとしきり目移りしながらも、“季節限定”の言葉に惹かれて「イチゴのショートケーキ」を選んでみた。

 この日、1時間も経たないうちに苺のショートケーキは完売。1時間半ほどして退店するころには、ショーケースに残るケーキはあと4種類になっていた。

 数が限られているからこそ、この一切れに出会えた幸せもひとしお。

 開店時に訪れて、選ぶ楽しみを満喫するのはもちろん、少し落ち着いたおやつどきに訪れて、どんなケーキとご縁があるのかを委ねてみるのも、「TIES」らしい愉しみ方のひとつ。

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