――今それを聞いて思ったんですけど、女は割と男性の下ネタも分かりますもんね。笑うかどうかはさておき、言ってる意味は分かる。
女性は読み取ろうとしますよね。たとえば風俗の待合室みたいなネタがあったとしたら、行ったことはないけどそういう感じなんだろうなって女性は想像してくれるけど、男性は生理に関してはもうポカン。とにかく分かんないっていう感じの印象がありました。
THE Wで優勝…なぜ決勝で3組とも下ネタだったのか
――2024年のTHE Wでにぼしいわしさんが優勝されたときって、最終決戦の3組とも下ネタだったじゃないですか。なぜ3組下ネタが重なったと思われますか。
フックにしたかったのかもしれないですね。まず、漫才を見てもらう態勢を作りたい、おもしろいものだなって思って見てもらうのが大事だと思うんです。女芸人は、芸人として見てもらうことがやっぱりまだ難しいときがあって。やっぱり「笑いたい」というより「どんなものかお手並み拝見」という感じで見られる経験がこれまで多かったので。
――見てもらう前から一個ハードルがある。
逆に、私たちが女芸人やのに女のあるあるネタをやってないところを「女芸人らしくなくて、いいやん」っていう人もいたりするんですけど、でもそれって女が作る女のお笑いを嫌いな人の意見すぎるというか。まるでそっちが正解みたいな感じに捉えられてるんです。
――女あるあるをしないことが「正解」。
そう。私らはそもそもぶるまさんみたいな秀逸な下ネタができないだけで、おもしろいと思ってますし。河邑ミクとかさとなかほがらかとかの細かい女性の描写ができないので、しゃべくりでどうにかするっていうほうが向いてると思ってやってるだけで。でもそれがお笑い的な加点ポイントに勝手になってたりする。

――3組重なったことも大きかったと思うんですけど、あの年のTHE Wの下ネタは結構批判されてもいましたよね。
批判はされるだろうなって思ってました。最終決戦で忠犬(立ハチ高)とぶるまさんのネタを聞いて「やば」って思いましたもん。あ、私らがこれで下ネタビンゴにしちゃったと。うちらが普通のネタしてたらみんな叩かれんで済んでたかもしれない。実際に「女は下ネタ使わないと勝てないと思ってるんだ」という批判もありました。
――にぼしいわしさんに関して言えば、地上波日テレ夜7時のお客さんが、女性の漫才を見慣れていないというのもあったかと思います。THE Wでの漫才って難しいのでは。
やっぱりインパクトに欠けるんですよね。舞台のセットが派手なので、漫才がすごく地味に見えちゃう。コントだと観葉植物置けたりベンチ置けたりして、そこを「舞台」じゃなくてその場所にできたりするんですけど。
それに、女二人出てきてセットはピカピカで、お客さんがいて審査員バーッて並んでるときに、やっぱり圧倒されるのはコントのほうじゃないですか。M-1やったらずっと漫才見てるんで全然違和感ないですけど、コントと漫才一緒に見たときに、やっぱり動きが多くて音もあるコントのほうが没入しやすいだろうなっていうのはありましたね。
