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 実在した指名手配犯を演じた主演映画『「桐島です」』が、2025年7月4日(金)より公開される俳優・毎熊克哉さん。CREA WEBには約3年ぶりの登場。前篇では、大河ドラマ『光る君へ』への出演をはじめ、初のプロデュース作品に至るまで、この3年間の歩みをじっくりと振り返っていただきました。

大河ドラマの反響は想像よりも大きかった

──前回のインタビューから3年。反響が大きかった作品や、自身で印象に残っている作品はありますか?

 Netflix「今際の国のアリス」は、世界190か国に配信されていることもあって、海外の方からの反響が大きかったと思います。SNSなどをなにげなく見ていると、英語で作品について書かれている文章をよく目にしていたので。あと、「サンクチュアリ -聖域-」は、八百長を力士に持ちかけたり、イヤな雰囲気で追いかけ回す安井という記者の役でしたが、出番が少ない中、物語における異質なスパイス的な役どころなので、楽しみながら演じさせてもらいました。「あの後、安井はどうなったのか?」はとても気になるので、もし続編のお話がありましたら、是非参加したいです。

──大河ドラマ「光る君へ」では、物語前半に登場する盗賊という裏の顔を持つ散楽一座の座員・直秀を熱演。まひろ(吉高由里子)が6年前に起きた痛ましい事件の顛末を藤原道長(柄本佑)に明かした際、打ちひしがれるまひろを託した道長に「帰るのかよ…」と視聴者を代弁するかのような一言も話題に。

 まひろと藤原道長という主人公2人に深く関わる役どころではありますが、体感的には割と早くいなくなるキャラクターだったこともあり、そこまで直秀が話題になるとは想像もしませんでしたね。「帰るのかよ」も、台本にあったものをセリフとして発しただけですし(笑)。放送では一瞬でしたが、馬に乗るシーンがあったので、半年以上前から乗馬の訓練をしました。身体能力がかなり高い役なので、長期間アクションの訓練もしました。ひとつの作品の役作りに時間をかけることは、とても貴重な体験でしたね。

2025.07.04(金)
文=くれい響
写真=平松市聖
ヘア&メイク=MARI(SPIELEN)
スタイリング=カワサキ タカフミ