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三木大雲が『仏教コード』で語った“お経から読み取れる2025年の災厄”

――三木住職は『仏教コード』の中で、この「三災七難」の考えと「八百年周期」という説から、近い将来に起こる大災害について書かれていますよね。

三木住職 「八百年周期説」とは、前後20年ほどの誤差はあれど、人類の文明や文化は基本的に800年の周期で変化しており、今で言うと西暦2000年前後がその切り替わりの時期にあたるとされています。これに沿って考えると前回の切り替えは1200年前後。

 より詳しく時期を特定するために、古代中国の暦「十干十二支(じっかんじゅうにし)」の始まり「甲子」の年であるとすると、それは鎌倉時代の建仁4年である1204年にあたります。この年には先にご説明した“赤気”、つまり「星宿変怪難」が観測されています。さらに鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』には、この9年後と、さらにその14年後にそれぞれ大地震が発生したと記されています。

 1204年の800年後である2004年の周辺で異変を探ると、2002年に北海道で低緯度オーロラ(赤気)が発生しており、その9年後の2011年には東日本大震災です。そして14年後が2025年の今年なのです。

 これはあくまで私の予測ですが、お経からこうした未来を推測していたところに、たつき先生があの予知夢を見たというのにはハッとするものがあります。

――重たい気持ちになってくる方も多いかもしれませんね。

三木住職 ええ。ですが、日蓮宗には「大難を小難に、小難を無難に」という教えもあります。これは先の「七難」にも当てはまるもので、大きな困難をお釈迦様の教えにしたがって行動すれば小さな困難に、その小さな困難も日々の精進で無難、つまりないものにできるということ。たつき先生も対談の中で「大きな災厄は避けることはできないけれど、その被害を最小にすることはできると思っている」とおっしゃっており、この考え方こそ、まさに来たる災難に立ち向かうためのものなのです。

後篇に続く)

三木大雲(みき だいうん)

1972年京都の寺院の次男として生まれる。多くの寺院で修行を積み、2005年京都の光照山蓮久寺の第38代住職に就任。怪談を切り口にしたわかりやすい「怪談説法」を確立する。京都日蓮宗布教師会法話コンクール最優秀賞受賞。14年「稲川淳二の怪談グランプリ」優勝。18年“最恐”怪談師決定戦「怪談王」優勝。OKOWAチャンピオンシップ初代チャンピオン。著書に『怪談和尚の京都怪奇譚』『続・怪談和尚の京都怪奇譚』『続々・怪談和尚の京都怪奇譚』 (文春文庫)がある。

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次の話を読む災害は“心の準備”で乗り越えられる──三木大雲がたつき諒との対談を経て語る仏教的防災の知恵

2025.06.21(土)
文=黒影苑生
写真=志水隆